内部循環には頼れない 中国経済は輸出と不動産に依存【禁聞】

昨年から中共は「経済内部循環」を声高に叫び続けています。最新のデータによると、中国経済の景気回復構造は依然として輸出への依存度が高く、国内市場が不動産市場で支えられているという旧態依然としたモデルとなっています。研究者は、中国の輸出力は世界経済の回復に伴って徐々に衰えると思われるほか、巨大な貧富の差と購買能力の限界によって、内部循環では経済成長を牽引できない運命にあると指摘しています。

中共税関総署が4月13日に発表したデータによると、中国の3月の輸出額は前年同期比で30.6%と大幅に増加しました。そのうち、電気機器製品、衣料品、玩具、家具、照明などの輸出量が前年比で最高となっています。

しかしこれについては、前年比のデータが2020年初頭の非常に低い実績値だったため、誤解を招く表現だとの見方があります。

ゴールドマンサックスは、季節要因を考慮した後の中国の3月の輸出量は実際には前月比で6.6%減少し、1月と2月の合計輸出量は前月比で8.5%増加したと推定しています。

ウォール・ストリート・ジャーナルは、3月の輸出が前月よりわずかに減少したことは市場の想定内で、中国の対外輸出量は短期的には回復する可能性があると報じています。

米サウスカロライナ大学エイキン校の謝田教授は、現在の中国の輸出データが目を引くのは主に、各国の防疫対策中のニーズが増加した結果だと考えています。

米サウスカロライナ大学エイキン校の謝田教授
「ほとんどの国は今もまだ閉鎖状態、つまり生産停止状態にあるため、完全には回復していない。そして例えばオフィスや家具、インテリア用品、文具などについては、在宅勤務やオンライン授業の関連製品としてのニーズが依然として高い。このことが中国の輸出を牽引している」

謝田教授は、その他の国が疫病から回復するに伴い、中共の輸出の優位性は徐々に下がってくるだろうと指摘しています。

昨年5月、トランプ前大統領の貿易制裁の圧力を受け、中共当局は経済内部循環による発展構造を提起して、内需と消費の拡大を国内の大型循環経済を発展させるための重要な手段として位置づけました。

しかし、中国経済の景気回復構造はいまだ旧態依然としており、不動産市場を除き、国内の消費ニーズは現在も力強さが見られません。
独立経済研究機関のキャピタル・エコノミクスは、3月の信用貸し付け全体の伸び幅が再度落ち込み、住宅ローンを主とするファミリーローンが過去数か月で急増したと指摘しています。

同時に、2月に70の大都市と中都市の平均不動産価格が前月比で0.4%増加し、昨年8月以来の急上昇となりました。

米国在住の独立研究者、戈壁東氏
「中共がずっと経済の柱として位置づけてきた不動産市場は、実際には中国経済の内部循環を牽引できるものではない。逆に、資金の固定資産化が実際には市場の循環を阻んでおり、形成できるはずの内部循環もそのために破壊されている。よって中共が短期間で内部循環を形成することはできない。国内については引き続き不動産市場に依存し、対外的には輸出入に頼っているが、実際には毒物を飲んで渇きを癒すという、何の戦略的予想もないことをやっている」

3月の財新製造業調達責任者指数はすでに50.6まで落ち込み、昨年4月以来の最低水準に達しています。これについて、内需の落ち込みが過去1年間の工場生産活動の成長率を鈍らせたとの見方があります。

また、今年の中国の第一四半期の都市調査によると、失業率は5.3%から5.5%の間で、昨年末の5.2%を上回っています。16歳から24歳の失業率は2月の13.1%から13.6%に上昇し、全国の都市全体の失業率を大幅に上回っています。多くの経済学者は、中国の本当の失業率は驚くべき水準に達しているはずだと考えています。

台湾の中華経済研究院大陸経済所副所長の呉佳勛(ご・かくん)氏は、「中国では6億人が貧困層に該当し、市場に入って効果的な消費力を発揮することが難しい。このことも、中国が内部循環によって経済成長を促そうとする際の最大の問題点だ」と指摘しています。

また、中共が数年前から行っている戦狼外交モデルも、グローバル化の基盤である相互協力のバランスを崩し、さらなる景気回復に圧力をかけています。

米国在住の独立研究者、戈壁東氏
「国際社会がまとまったら、経済の枠組みが再構築され、中国市場と切り離された状態を形成する。そうすると食糧や原油といった重要な原材料を海外に大きく依存している中共経済や、主に加工業を主とする中国工業は、国際社会が中共と分離することによって窮地に立たされるだろう」

中共は最近もさらに直接的な手段を講じて、国際社会が中国経済とデカップリングしないよう必死で説得しています。李克強総理、発展改革委員会、中共カナダ大使などが次々とオリーブの枝を差し出して、ますます孤立していく厳しい立場からの脱却を試みています。

 
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