米国で警察廃止を求める抗議行動が続く背景には、何があるのでしょうか。マルクス主義に詳しい専門家は、人種間の緊張が米国での革命を引き起こすために利用されていると述べています。
昨年5月、黒人のジョージ・フロイドさんを圧迫死させたとして、最近元警官のデレク・ショービン被告に対し3つの容疑で有罪評決が下されましたが、多くの団体や個人はこれではまだ不十分だと主張し、米国の法執行システムは本質的に人種差別的であり、廃止する必要があるとしています。
悪名高いマルクス主義者の言葉に次のようなものがあります。 「問題自体は決して問題ではない。問題は常に革命である」
トレバー・ルードン(Trevor Loudon)氏は、過激派グループとその影響力に関する専門家です。ルードン氏は、ジョージ・フロイドさんに対する正義や警察の横暴、人種差別が問題なのではなく、革命が問題なのだと言います。
作家・映画監督・マルクス主義専門家 トレバー・ルードン氏
「これは米国の悪魔化だ。この悪魔化は、この国を社会主義・共産主義の革命へと導くためのものである」
多くの人々がただ正義を貫くことを望んでいる一方で、革命を目論んでいる者もいるとルードン氏は言います。革命を起こすためには、国の制度を廃止する必要があります。
作家・映画監督・マルクス主義専門家 トレバー・ルードン氏
「ここで見られるのは、物語が設定されているということ。目的は、警察を打倒し、米国の社会構造を破壊すること。なぜなら、革命を起こす前に、それらを破壊する必要があるからだ」
ルードン氏は、米国における組織的な人種差別の物語を推し進め、警察の廃止を主張するマルクス主義の組織をいくつか挙げました。中には、中国共産党を公然と支持している団体や、中国共産党との繋がりがある団体もあります。
またルードン氏は、人種間の緊張を煽ることにより分断を引き起こし、米国の制度を破壊することは中国共産党の利益になるとしています。そして、中共はこれらのグループの多くと水面下で協力しており、炎上を煽っているといいます。
ミネソタ州ミネアポリスを拠点とする「自由道路社会主義組織(The Freedom Road Socialist Organization)」というグループは、公然と親中共を表明しています。同組織は昨年にジョージ・フロイドさんに関連した数多くの抗議活動の開催に貢献しました。また、元警官デレク・ショービン被告の裁判評決に対する抗議活動も組織しました。
同組織が共催したFacebookのイベントでは、「もしショービンが無罪となった場合、地獄を見ることになるだろう。そして、黒人への正義がない社会制度への憤怒の念を込め、抗議デモを起こすだろう」と主張していました。
デレク・ショービン被告に対する有罪評決が発表されると、同組織は街頭でデモ行進を行なっている人々を讃えました。
このツイートは同組織の目標を明確に示しています。「今夜も人々は行進するだろう。我々は組織をコントロールすることを革命達成前の改革として捉えている。組織化を続けよう! 世界を勝ち取るために」
一部の政治家は、デレク・ショービン被告に対して有罪判決だけでは不十分だと指摘しています。
ルードン氏は、歴史上、階級闘争や異人種闘争が数々の革命を引き起こしてきたと述べています。また平等や正義といった言葉は、運動の裏に潜んでいる真の目的を隠すために使われているとしています。
ルードン氏はまた、この計画に協力している疑うことを知らない米国人に、目を覚ますよう促しています。人々が共産主義者の戦術を目の当たりにして、それに立ち向かわない限り、事態は悪化するだろうと強調しました。