世界の医学界に最も大きな影響力を持つと言われる医学誌「ランセット」に対する信頼性が揺らいでいます。米国メディアは、ランセットのCovid-19(中共ウイルス)委員会の代表が、中共の影響を受けている複数の団体と関係があることを報じました。
ランセットは昨年7月、ジェフリー・サックス氏を委員長とするCovid-19(中共ウイルス)委員会を設立しました。この委員会は、名目上は政府や民間団体、国連関連機関が中共ウイルスの大流行に効果的に対応するための支援を目的として設立されました。しかしこの委員会の実際の役割に対し疑問の声が上がり始めています。
米国メディアのナショナル・パルス(The National Pulse)は4月13日、サックス委員長は「ウイルスの発生源に対する調査を監視できるだけでなく調査に対する世界の反応も監視して、世界的パンデミックの予防を強化するための提案を提出できる」と報じました。
しかし、このような重要なポストについている人物が、中共と密接な関係にあるのです。サックス委員長は中共ウイルスが実験室から漏れたのではないかという疑念を一貫して否定し続け、中共ウイルスが米国各地で猛威を振るっているときに中米交流基金(CUSEF)による活動「チャイナ・カレント(The China Current)」に参加していました。中米交流基金は中共統一戦線の「最高レベルの監督実体」である副主席が設立したものです。
米国政府の報告によると、中米交流基金の目的は合従連衡(がっしょうれんこう)の推進、言い換えると華僑のコミュニティや外国政府に影響を与えることによって、北京政府を支持することです。
米国在住の時事評論家、鄭浩昌氏
「ランセットの重要編集委員が中共に浸透されていることから考えると、中共は国際組織の内部へ広く浸透しているはずだ。以前はWHOのテドロス事務局長やダサック氏、今度はランセットのサックスだ。孟宏偉のように中共高官がまた国際組織のトップに加わったら挟み撃ちのようになって網のような配置が構成される。用心していない人はこの策略に簡単にはまってしまう」
さらにダサック氏は昨年5月のポッドキャストで、「中共への対抗」に反対すると明かしたほか、中共に対するトランプ政権の強硬な態度を非難しました。
メディアは、ダサック氏はさらに、米国のエリート層に影響を与える中共集団とも関係があると報じていますが、これは具体的にはバイデン大統領の息子のハンター氏と密接な関係にある中国エネルギー企業の華信能源(CEFC)を指しています。
ダサック氏はかつて、CEFCの各種催しの中でスピーチを行っており、2015年には同社の顧問委員会のメンバーに就任しています。ランセット氏が中共を支持する発言を度々行っているのは、このような背景があるからだと指摘する声もあります。
米国在住の時事評論家、邢天行氏
「かなりの数の人が間違った道を選択してしまった。彼らの心の中が邪なものになっていなければ、中共の歪みや邪気を助長できるわけがない。このことは今日の人類の悲しみが存在する場所でもある」
昨年2月にランセットに27人の研究者の連名で、「中共ウイルスは自然発生したものではない」とする考えを非難する論文が掲載されました。ランセットのリチャード・ホートン編集長も、中国がウイルスの起源だと非難することは何の役にも立たないだけでなく真実でもないと述べています。
今年3月、ランセットは社説で、中共の防疫経験には各国が学ぶだけの価値があると発表しました。10月はランセットのCovid19(中共ウイルス)委員会が、中共ウイルスは実験室で人為的に作られたものではなく、自然界に存在するウイルスだと発表しました。米国在住の時事評論家、邢天行氏は、ランセットの一連の発表は、中共の対外的宣伝内容と論調が一致しており、中共を美化する意図があるのではないかと疑っています。
邢天行氏
「こうした主流の、いわゆる権威ある科学者の発言でしか、中共が疫病の発生源も含めその情報を隠匿するのを西側世界が助けることにはならない。彼らが今になってウイルス問題について嘘をついているというのではない。恐らく、一部の学術的問題も含めたほかの面で、過去に私たちが意識していなかったころから、彼らは中共のために発言していたのだろう。今回それが露呈したに過ぎないのだ」
邢天行氏は、まさにこうした行為によって逆に多くの人が、国際機関や国際組織の多くはもはや信頼できるものではなく、それどころか金のために堕落してしまったのだと認識するようになったと考えています。そのため、現時点で真実を語り続けることができるかどうかは、一人一人の良識と勇気に課された試練であるといえます。