10年に1回行われる米国勢調査の統計データは、連邦議会下院の議席数の割り当てに直接的な影響を及ぼします。2020年の国勢調査の結果、米国の人口は3億3100万人に達し、レッド・ステート(共和党)の議席数が増えることが明らかになりました。
4月26日、米国勢調査局が2020年の国勢調査データを発表しました。米国の人口は7.4%増加して331,449,281人に達しましたが、過去二番目に低い増加率となりました。テキサス州の人口増加率は全米5位に入り、カリフォルニア州の増加率は1900年以来の最低水準を更新しました。
分析の結果、カリフォルニア州の人口が大幅に減った理由として、①出生率の低下、②カリフォルニア州からの転出人口が転入人口を継続的に上回っている、③海外からの人口流入の減少、という三つの原因が挙げられています。
人口の変化は各州に割り当てられる連邦議会下院の議席数に影響を及ぼします。2020年の国勢調査の後、テキサス、コロラド、フロリダ、モンタナ、ノースカロライナ、オレゴンの六つの州で議席が増加することになり、カリフォルニア、イリノイ、ミシガン、ニューヨーク、オハイオ、ペンシルベニア、ウェストバージニアの七つの州が一つずつ議席を失うことになります。
レッド・ステートであるテキサス州、フロリダ州、モンタナ州、ノースカロライナ州は議席数が増え、中でもテキサス州は2議席を獲得しました。以前は人口の増加が著しかった、ブルー・ステートのカリフォルニア州、ニューヨーク州はいずれも一議席ずつ失っています。ニューヨーク州は人口がわずか89人減ったために1議席を失い、カリフォルニア州は建国以来、初めて議席数を失いました。
時事評論家の横河氏
「人口が増えたのは主にレッド・ステートで、減ったのはブルー・ステートだった。特に、カリフォルニア州とテキサス州は対照的だ。この二つの州はいずれも面積が広く人口が多く、住民の相互の入れ替わりが最も多い州でもある。十年以上前から、カリフォルニア州の人口は継続的にテキサスに流れている。その主な理由はカリフォルニア州の税金と極左政策から逃れるためだ。これは米国流の『足による投票』と考えられる。これによって、保守派の小さな政府と低税率を実行する州が、資本や人材、技術を引き付けることができる。また議会議席数の増加によって、保守派の州の政治的影響力も高めることができる」
議席数の増減は、大統領選の際の各州の選挙人団の票数に直接的な影響を及ぼします。トランプ政権時代は、総人口から不法入国者の数を引いた人数を、議席数を割り当てるための基準データにしており、この政策は最高裁判所からも支持されていました。しかしバイデン政権は、行政令によってこの基準を変更し、国勢調査局に対し不法入国者の人数を基準データに含めるよう要求しました。
時事評論家のジェイソン博士
「なかなか彼らの思う通りにはいかないのではないか。彼らは不法移民を数に入れれば自分たちが有利になると考えたりするが、テキサスの方がもっと有利になるとは思ってもいなかっただろう。よって、全体的な人口の流動が、2024年(の大統領選)に影響を与えるかどうかは、今後も注視する必要がある」