中共が新たに施行した海警法によって、周辺国に対する脅威が増しています。台湾の研究者は、「日本は東シナ海および日中海空連絡メカニズムにおいて、2012年以来、完全に中共の罠に落ちた。中共は交渉によって争いを継続し、争いによって交渉を強要する。1940年代に国民党政府はこれが原因で中国大陸を失った」と述べました。
台湾中山大学中国・アジア太平洋所 郭育仁教授
「中国共産党を全く理解していない。だから今年2月1日に中共は新たな海警法を施行した。このことは完全に、日本にとっては頭から怒鳴り付けられたようなものだっただろう」
中共の新たな海警法は、外国籍の船舶に対する攻撃を許可するもので、周辺諸国への脅威を顕著に高めるものです。
台湾の「当代日本研究学会」が4月29日に台湾大学で開催したフォーラムで、研究者の林賢参(りん・けんさん)氏は「日本と中共は2018年に『日中海空連絡メカニズム』を開始した。これは両国の突発的な軍事衝突を回避することを目的としたもので、日本は2007年から苦労して交渉を重ねてきて、何度も大変な思いをしてきたのに、結果がこれだ」と述べました。
台湾師範大学東アジア学部主任 林賢参教授
「ホットラインについても、現在まで設置できる確証は何も得られていない」
台湾中山大学中国・アジア太平洋所 郭育仁教授
「正確には、コンセンサスの中のコンセンサスがないということだ。2018年に合意してから、何も得ていないに等しい。衝突が最も発生しやすいことについて、この海空連絡メカニズムでは規制と制御ができない」
研究者の郭育仁(かく・いくじん)氏は、日中連絡メカニズムの範囲には尖閣諸島は含まれていないうえ、双方の武装部隊しか規制対象となっておらず、海上警備を行う海警および中国がよく使う海上民兵や漁船は含まれていないと指摘しています。
中山大学中国・アジア太平洋所の郭育仁教授
「日本は完全に中共の罠に落ちた。これまで(2012年以降)の8年間、中共は東シナ海で完全に主客転倒し、交渉によって争いを継続し、次に争いによって交渉を強要している。これは蒋介石が当時(1949年以前)大陸を失った主因の一つだ。ひたすら毛沢東と交渉したが、交渉しなくても大丈夫だった。交渉しても国民党は負けてしまった」
郭育仁氏は、「中共は劣勢の時は和議や交渉を行って、中共に有利な戦略的タイミングを計ることに長けている。これは1949年以前に国民党政府が中共と交渉した時に得た教訓だ」と述べています。