中共の空母・遼寧号に続き、4月29日、空母・山東号も衛星から撮影されましたが、南シナ海からほとんど移動していないことで、ネットユーザーから嘲笑されました。これに対し中共国防部は同日の定例記者会見で、空母は「オタク」ではないと反論しました。
2019年に就役した空母「山東」は中共の2隻目の国産空母です。山東号は4月28日、海南省三亜基地を出港して南シナ海を出たあと、バシー海峡に向かうところを衛星から撮影されました。しかし、翌29日に撮影された画像によって、まだ三亜市の外洋にとどまっており、ほとんど移動していないことが分かりました。
これより前、中共の空母・遼寧号も三亜港から約290キロで停泊していたことで、米国や日本の軍艦からも注視されていました。ネットユーザーは「遼寧号はネット有名人の人気観光スポットになってしまった」と嘲笑しています。
不可解なことに山東号は元の位置から動いておらず、ネット上では様々な憶測が飛び交いました。ネットユーザーらは「米国の軍艦『新しいおもちゃを手に入れた』」「各国が見に行くのも歓迎」「まだ半分しか行っていないのに、どこから現れたか分からない多国籍軍が護衛をしてくれている」「こんな風に永遠に誰かから24時間見つめられていて、どうやって台湾を侵略するんだ?」
同日の29日、中共国防部は定例記者会見を開いた際に、呉謙(ご・けん)報道官はしぶしぶ空母の話題に触れましたが、突然「空母はオタクではない」と発言しました。
中国語で言う「オタク(宅男)」には、いつも家にいて外に出たがらない人といった意味がありますが、大紀元コラムニストの沈舟氏は、中共の空母は確かに「オタク」と同じ特徴があるとして、遼寧号と山東号の出航は年に1回で、その期間も1か月に満たないのに、「オタク」でないと言えるのか?と指摘しています。中共はネット上の投稿を否定するため「オタク」という言葉を使いましたが、逆に中共の空母が見かけ倒しであることを実証する結果となりました。
実際に、中共の空母の戦闘力は以前から疑問視されており、山東号は国際メディアから「海に浮かぶ張子の虎」と揶揄されています。
4月4日、米軍のアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦・マスティン(USS Mustin,DDG-89)は近距離から遼寧号を監視しました。さらに米国が公開した、マスティンの艦長と副艦長が甲板で、足を伸ばしてリラックスした様子で遼寧号を眺めている写真はネット上で広く伝わり、米軍は中共空母の戦闘力を歯牙にも掛けていないのだと考えられています。
しかし、中共軍は最近、南シナ海や台湾海峡で頻繁に活動して、台湾に対する挑発行為を繰り返しています。台湾海峡情勢の緊迫は、国際社会も警戒させており、米国、日本、豪州、EUはいずれも、台湾海峡における安全保障の重要性を強調しています。
中共海軍は5月2日、空母・山東号の艦隊は最近南シナ海で訓練を実施したと発表しました。海軍報道官は、「これは年間計画に基づく定例訓練であり、完全に正当で合法的だ」とし、「今後も常態的に同様の訓練をする」と述べました。中共海軍は先月にも、台湾情勢が緊迫化しているため、このような訓練は今後もっと頻繁に行うと述べていました。