米国務省が「世界の信教の自由」に関する年次報告書を発表

法輪功迫害の中共当局者を制裁

米国のアントニー・ブリンケン国務長官は5月12日、「2020年 世界の信教の自由」に関する国務省の年次報告書を発表しました。ブリンケン国務長官はまた、気功修煉法の法輪功学習者を迫害したとして中共の政府幹部1名とその家族へビザの発給禁止を発表しました。

米国務省は毎年「世界の信教の自由」に関する報告書を発表しています。アントニー・ブリンケン国務長官は中国をはじめ、いくつかの主要国を厳しく批判しました。

アントニー・ブリンケン米国務長官
「中国(共)は宗教的表現をことごとく刑事罰の対象としており、イスラム教徒のウイグル人や他の宗教的・民族的マイノリティに対して、人道に対する罪を犯し、ジェノサイドを続けている」

この報告書は、「中国編」に136頁を割いています。報告書では気功修煉法の法輪功をはじめ、様々な宗教に対する中共の迫害について詳細に報告しています。

ブリンケン米国務長官は、以前 四川省成都市の610弁公室で主任を務めていた当局者に対し、新たな制裁を発表しました。610弁公室とは、江沢民元総書記が法輪功学習者を迫害するために、1999年に設置した法外機関です。

アントニー・ブリンケン米国務長官
「本日私は、成都市のいわゆる「邪教問題の防止と対応指導部」の前主任である余輝氏を、法輪功学習者への恣意的な拘束という重大な人権侵害に関与したとして、認定したことを発表する」

余輝(よ・き)氏とその家族は、今後米国に入国することはできません。サム・ブラウンバック前国際宗教自由大使は、これは中共に対する強いメッセージになると述べています。

米国務省の前国際宗教自由大使/サム・ブラウンバック
「信仰に対して戦争をしかけた彼らを、黙って見逃すことはないぞというメッセージを送ることになる」

法輪大法情報センター広報担当/張爾平氏
「これは中国の中共幹部に対する強いメッセージになると思う。つまり 法輪功迫害は違法であるだけでなく、国際的に罰せられ、国際社会が監視しているぞというメッセージだ」

米国務省は、米国に拠点を置きこの迫害の報道に尽力しているサイト、「明慧網(法輪功情報サイト)」からデータを引用しています。

米政府の報告書によると、2020年に信仰への放棄を拒んだという理由で、中共の警察によって逮捕された法輪功学習者は6600人以上(6659人)、嫌がらせを受けた学習者は8500人以上(8576人)になります。

2019年では、6100人以上(6109人)が逮捕され、約3500人(3582人)が嫌がらせを受けています。また同年、83人が迫害のために死亡しました。

報告書は中国における強制臓器摘出に関するNGO(非政府組織)のレポートも引用しています。その中には、中国に対して調査した英国の独立民衆法廷の判決も含まれています。

この民衆法廷は、良心の囚人、主に法輪功学習者からの強制臓器摘出が、国家プログラムとして数十年にわたり現在も進行していると結論づける証拠を記録しています。

米国務省の前国際宗教自由大使/サム・ブラウンバック
「法輪功学習者への臓器狩りについては、他の団体からも信頼できる調査結果が寄せられている。これらは外部の団体が証拠を検証した上で『そうだ。それは本当に行われている』と言っている」

米国は1999年以来、「国際信教の自由法」に基づいき、特に深刻な宗教の自由の侵害を行っている、または容認したとして、中国を「特に懸念される国」に指定しています。

〈字幕版〉

 
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