中国の通信大手3社が、ニューヨーク証券取引所(NYSE)で上場廃止となるまであと数日です。その一方、最近の報告書によると、米国の三大証券取引所に上場している中国企業の数は6か月間で15%近く増加しています。
米議会の委員会は5月13日に報告書を発表し、米国の三大証券取引所に上場している中国企業に関して、情報を更新しました。
報告書によると、2021年5月5日時点でこれらの証券取引所に上場している中国企業は248社で、時価総額は2兆1000億ドル(約229兆6500億円)に上ります。
これに対して6か月前は上場企業は217社で、時価総額は2兆2000億ドル(240兆5900億円)でした。
今回のリストには、全国規模の中国国有企業が8社含まれており、また50社が新規に上場しています。
米サウスカロライナ大学エイキン校の謝田教授
「米証券取引所に上場することは多くの中国企業にとって、また世界中の企業にとっても、究極の夢であり、頂点を極めたという意味を持つ。因みに、ウォール街は中国市場に対して飽くなき欲求を持っている」
ニューヨーク証券取引所は5月7日、中国移動(チャイナ・モバイル)、中国聯通(チャイナ・ユニコム)香港、中国電信(チャイナ・テレコム)の見直し要請を退け、10日後の上場廃止へ向けて動いています。
これはトランプ前大統領が発した大統領令に従ったもので、人民解放軍に関係する中国資本の企業への投資を禁止しています。
トランプ大統領時代から始まって、米当局はそのような中共軍関連企業を米証券取引所から追放し、情報開示要件の執行体制を強化する取り組みを着々と進めています。
また、米国の主要な証券取引所に上場している中国企業の数は増えているものの、その時価総額は減少しています。
米サウスカロライナ大学エイキン校の謝田教授
「知名度の高い中国の大手企業の中には、更に厳しい報告義務が課されることを恐れて、自ら米証券取引所での上場廃止を選択した企業もある」
米議会の報告書は、中国企業への投資には透明性の欠如、法的地位の問題、国家安全保障上の問題など、様々なリスクが伴うと警告しています。