5月12日、陳情受付・処理機関である北京国家信訪局の入口付近で、陳情者の男性がガソリンをかけて、焼身自殺を図りました。
現場を撮影した動画には、集まっている陳情者の中から突然白い煙が立ち上り、人々が混乱している様子が映し出されています。
中国の人権擁護サイト「六四天網」の市民記者、王晶(おう・しょう)さんによると、陳情者の男性は自身にガソリンをかけて火をつけ、両足に火傷を負いました。警察は消火器を使って消火した後、男性を連行しました。
北京国家信訪局の前には当日、およそ1万人の陳情者が並んでいたと見られています。ある陳情者は、中南海の高官に対して、「人民は司法の腐敗によって絶望的な状況に追い込まれている。党中央の高官は中南海で悠々自適な生活を送るべきではない」と叫んでいたといいます。
今回の焼身自殺事件は1万人以上の目撃者がいましたが、インターネット上にはこの事件に関する動画やニュースがほとんどありません。
広西チワン族自治区の人権活動家、李燕軍(り・えんぐん)さんは、「共産党は全てを隠しておきたいと思っており、現場で写真を撮ると逮捕されてしまう」と述べ、中共政権の下で、庶民は追い詰められて途方に暮れていると嘆いています。