世界各国がまだ5G技術で競合している中、中国の通信機器大手ファーウェイは次のステップを見据えているようです。ファーウェイはこの2年間、次世代技術である6Gの実現を目標にしていました。では、現在はどうなっているのでしょうか。
世界のハイテク企業は、すでに6G技術を開発していますが、中国が先行しているとされています。世界の6G特許出願の3分の1以上が中国からのものであり、出願数において世界の首位に立っています。
これは、中国国家知識産権局が先日発表した6G特許に関する報告書です。報告書によると、6G技術に関する特許出願数は世界全体で3万8,000件以上にのぼりました。
ファーウェイの任正非(じん せいひ)CEOは、2年前に英誌「エコノミスト」に対し、「ファーウェイの6G研究は世界をリードしている 」と述べています。
また、技術系ニュースサイト「ロジック(The Logic)」によると、ファーウェイは同年、カナダの首都オタワにある研究施設で6Gモバイル技術の研究を開始しました。
6Gは、次世代の無線ネットワーク通信です。5Gの伝送速度と比べて100倍に達すると言われています。例えば、5Gのネットワークで映画をダウンロードするのに数秒かかるとしたら、6Gでは、ダウンロードボタンから指を離す前にダウンロードが完了します。また、それ以上のことも可能です。
一部の技術者は、6Gを数式で表現しました。彼らは「6Gは5G+AI2.0+衛星インターネットに相当する」と述べています。
6Gは、各国が潜水艦や宇宙領域やその他の面での軍事戦略に利用できる点で、重要視されています。
中国国家知識産権局(CNIPA)の王雷(おう らい)研究員は、次世代技術の覇権争いにおいて、特許は最も価値があり、最も強力な武器であると語っています。
そして、中国はファーウェイだけではありません。イーロン・マスク氏の次世代型衛星通信網を構築する「スターリンク」計画に対抗し、6G技術を研究する国営企業が設立されました。
中共当局は先月末、初の国有衛星インターネット企業を設立しました。名称は 「中国衛星ネットワークグループ」で、所在地は北京の南西約100kmに位置する河北省雄安新区となっています。この会社の資金は国が出資しています。
また、中共の6Gへの野心はこれだけにとどまらず、昨年11月6日、中国は世界初の6G衛星を打ち上げ、軌道に乗せました。
この衛星の名前は、中国電子科学技術大学(UESTC)に因んで命名され、宇宙で6G信号の性能を検証するために打ち上げられました。
ファーウェイと中国共産党が6G技術でリードできるかどうかは、今後の課題です。