台湾のある大手企業は、台湾と中国の消費者双方に自社製品をアピールするための戦略がありました。しかし、その戦略は失敗に終わりました。当企業は、台湾製品は中国製品よりも品質が良いと述べています。その一方で、中国共産党の「一つの中国」原則を支持していると表明しています。報道をご覧ください。
台湾のコンピュータハードウェアメーカー・ギガバイト(GIGABYTE)社は、台湾と中国の双方で反感を買っています。ギガバイト社は両者を不快にさせる発言をしてしまいました。
事の発端は、同社のウェブサイトに掲載された声明文でした。ギガバイト社は声明文の中で、「低コスト・低品質の中国メーカーを使用している他社のブランドとは異なり、自社製品は高品質である 」「同社のノートPCの90%は、厳格な品質管理と高い品質基準を遵守した台湾製である 」と主張していました。
この主張は、直ちに中共当局の注目を引き付けました。共産党青年組織・共産主義青年団は、5月11日に声明文のスクリーンショットを中国のソーシャルメディア・微博(ウェイボー)に掲載し、「ギガバイトよ、これほどの勇気は誰から与えられたのか?」と投稿しています。
中国のネットユーザーの中には、ギガバイトの声明を「露骨な挑発」と評する人もいます。また、「すぐに消費者の鉄拳を味わうことになる」と警告する人もいます。
激しいバッシングを受け、ギガバイト社は謝罪文を発表しました。声明文のスタンスを180度変え、「中国製品の品質を深く誇りに思っている 」と表明しました。
台湾の企業であるにもかかわらず、「ギガバイト社は常に『一つの中国』原則を支持してきた」とし、また「20年以上にわたって中国でビジネスを行ってきた」と主張しました。
しかし、この謝罪文は反発を和らげることはできませんでした。5月11日の夜、中国の複数の大手Eコマース(電子商取引)企業のプラットフォームではギガバイト社の製品が削除され、「ギガバイト社」関連の検索結果にヒットしません。また、同社の株価は2日間にわたって下落し、12日には台北で10%の下落となりました。
ギガバイト社が謝罪文を発表する原因となったのは、台湾側からの反発によるものです。台湾メディア「自由時報(リバティタイムズ)」は、ギガバイト社が台湾を二重に裏切っていると非難しました。また、ある台湾のネットユーザーは、ギガバイトが中共政府に屈していると批判しています。
さらに、「敵国による台湾併合をどうして我々が支持できるのか」と投稿したネットユーザーもいます。
ギガバイト社は、中国の消費者が最近ボイコットした多くの大手企業のうちの一つです。中国では、H&M、Nike、Adidasなどの衣料品ブランドに対して不買運動が行われています。理由としては、これらの企業がウイグル人の強制労働により生産された新疆綿を使用しないと表明したためです。