カナダの中国系私立学校の生徒は、中国共産党や天安門事件、ダライ・ラマなど、中共政権にとって敏感な話題について学ぶことができません。この学校は間もなく開校する予定です。
今年9月にカナダのブリティッシュコロンビア州リッチモンド市で中国系私立学校が開校します。子どもたちが中国関連の出来事に関して誠実な教育を受けられるかどうかに注目されています。
現地メディアによると、教員らには中国共産党や1989年の天安門事件、ダライ・ラマに関する話題を避けるよう、指示が出されました。子供たちがこれらの話題について話し始めたら、教員は話題を変えるよう対策を講じなければなりません。
問題となっているこの学校の名称は「超銀(チャオイン)インターナショナルスクール(The Chaoyin International School、超銀國際學校)」で、中国山東省に本部を置く「超銀(ちょうぎん)教育集団」が手がける初の海外校となります。
地元メディア「Richmond News(リッチモンドニュース)」によると、学校の責任者は、前述の話題を「軽く扱う」ように教師に指示したといいます。
同校は孔子学院のように警戒視されてはいないものの、本拠点が中国に位置することから、孔子学院と同様に中国教育部の管轄下にある可能性があります。
現在は削除されていますが、同校のウェブサイトのページに書かれていた内容は孔子学院と共通点がありました。ウェブサイトには、「主に中国と西洋の文化交流プログラムなどのプロジェクトを実施している」と記載されていました。
孔子学院は、文化交流センターを自称しています。しかし、実際には中共の政府機関が直接資金を提供しており、教員は中共にとって敏感なテーマは避けなければなりません。
カナダの超銀インターナショナルスクールが、その他の敏感な話題をタブー視しているかどうかは不明です。例えば、新疆ウイグル自治区でのウイグル人に対する迫害などです。また、同校の中共に配慮する姿勢は、学校の所有権が中国の教育機関にあることと関係があるのかどうかについても不明です。
NTDは学校の責任者にコメントを求めましたが、放送の時点では、返答を得られませんでした。このような学校に子供を通わせることについて、現地の中国人の保護者に聞いてみました。
地元の保護者 リンさん
「子供たちが必要な教育をきちんと受けられるのであれば、何の問題もない」
しかし、学校がいわゆる敏感な話題を避けることについて良く思っていない保護者もいます。
地元の保護者 劉さん
「学校がこのような話題を取り上げなければ、子供たちがそれらについて知ることはない、というわけではない。それゆえ、将来子供たちを混乱させることになる。子供たちの教育に関しては、誠実でなければならない。これらの問題について話さなければならない」
ブリティッシュ・コロンビア州教育省は、超銀インターナショナルスクールに運営許可の暫定証明書を付与し、運営を許可しました。同校は現在、来年度の入学者を募集しています。年間授業料は、およそ1万2千ドルから1万9千ドルに相当します。