マサチューセッツ湾交通局は今月初め、中国製の地下鉄車両の故障箇所を特定しました。今回で、運行開始から2年も経たないうちに4回目の故障となりました。
中国国営鉄道車両メーカー・中車長春軌道客車(CRRC)は、マサチューセッツ州の地下鉄の路線「レッドライン」と「オレンジライン」の車両をイリノイ州スプリングフィールドに位置する工場で製造しました。同企業は、今後数年間で400両以上の電車をマサチューセッツ州に納入する予定です。
約2か月前の3月16日に端を発する今回で4回目の故障は、オレンジラインの列車が脱線したため、地元の交通機関は新たに就役した全ての中国製列車を運行停止状態にしなければなりませんでした。この列車には約100人の乗客が乗車していましたが、幸いに負傷者はいませんでした。
同中国企業や当局のエンジニアらにより根本原因が究明され、解決策が出されるまで、運行停止措置が取られます。
これらの中国製列車は、2019年3月に初めて運行を開始して以来、今回の故障のほかに過去3度の故障が発生しています。当局はその都度、それらの列車を運行停止状態にする必要がありました。
2019年9月、オレンジラインの車両のドアが、走行中に突然開きました。その2か月後、新しく製造された列車がメンテナンス施設に戻る途中に脱線しました。また昨年3月、再び「ボルスタ(枕梁)の不具合」により、車両が一時的に運行できなくなりました。
2019年5月、米民主党のチャック・シューマー上院院内総務は、中国企業が設計した鉄道車両が国家安全保障を脅かす可能性があるかどうかについて調査するよう連邦政府に要請しました。
マサチューセッツ州議会共和党のショーン・ドゥーリー(Shawn Dooley )議員は、米国の各都市は中国の国営メーカーとは関わらない方が良いと提案しました。ドゥーリー議員は、「共産中国が我々の同盟国であるという妄想の下にいる者は誰もいない。中共は常に自分ファーストであり、『一つの中国』政策を公にしている」と述べています。
また、ドゥーリー議員は「数ドルのために、国民をとりわけ敵対的な外国政府がもたらす危険にさらすのは心外だ」と述べています。