ある学術サイトは先日、米国の一部の大学と中国の孔子学院との間で結ばれた契約に、米国の大学は中共が孔子学院を通じて米国人に教育を提供する際に、彼らに重大な影響を及ぼすことを許可する記述があると明らかにしました。
米国の情報公開法(Freedom of Information Act、FOIA)に基づき、学術サイトのキャンパス・リフォーム(Campus Reform)は5月26日、米国の大学32か所と中国孔子学院本部との間で締結された契約書について独占報道を行いました。これらの契約書によると、米国の大学は孔子学院の「シラバス品質」に対する中共教育部のコントロールを受け入れなければならないとする条項があることが明らかになっています。
そのうち、中共がニューヨーク市立大学バルーク校に開設した「国際金融孔子学院」の契約文書によって、その業務範囲には中国人・米国人起業家、政策制定者、研究者向けの米中金融システムと市場に関する交流プラットフォームの提供が含まれているほか、「バルーク校は、孔子学院の本部である国家漢弁(国家漢語国際推広領導小組弁公室)が資金援助を行うプロジェクトについては、同弁公室が最終決定権を有することを許可する」と明確に記されていることが明らかになっています。
もう一つの例は、オハイオ州のトレド大学(University of Toledo)の契約書には「学院は国家漢弁のシラバス品質評価を受けなければならない」うえ、孔子学院の授業内容と発表内容は、中央政治体制の支持がなければ認可されないとの規定が記されています。
これについて時事評論家の唐靖遠氏はある分析を行っています。
時事評論家の唐靖遠氏
「孔子学院は、中共が共産党イデオロギーや中共の党文化を輸出するためのプラットフォームとなっているほか、孔子学院はさらに米国に浸透して、現地中国系住民と米国人に対する統一戦線の実施を含め、情報収集やイデオロギー統制、言論の検閲を行う多機能総合プラットフォームとなっている」
数年前から世界各地で、孔子学院に対する反対運動が沸き起こっています。
ポンペオ前国務長官は2020年、ワシントンにある孔子学院米国センター(CIUS)を中共の外国使節団に認定しました。
米議会下部組織の米中経済・安全保障審査委員会が(USCC)2018年8月24日に発表した報告書によって、中共は孔子学院などの学術組織と団体を通じて海外で統一戦線を実行して、中共の政策を支持していることが明らかになりました。
これより前に、テネシー州のマーシャ・ブラックバーン上院議員とミズーリ州のジョシュ・ホーリー上院議員が、孔子学院を米国から追い出すか、厳格な規制を行うとする法律の制定を推進しました。
全米学識者協会(National Association of Scholars )のデータによると、5月18日の時点で米国には47か所の孔子学院が存在し、そのうち41か所は大学に、1か所は私立校に、5か所は幼稚園から公立小学校に設置されています。47か所の孔子学院のうち、15か所は今年年末までに閉鎖される予定です。