ハリウッドのプロデューサー ジョン・シナの中国への謝罪について語る

米国のプロレスラーで俳優のジョン・シナ氏が、台湾を国と呼んだことで中国のファンに向けて謝罪しましたが、このことで反発に直面しています。多くの米国人は、同氏が中国に進出するために中国共産党の肩入れをしたと非難しています。

しかし、ハリウッドのあるプロデューサーは、この問題はどの俳優にも解決できない、より大きな構造的問題の一部であり、それを解決する方法は一つしかないといいます。報道をご覧下さい。

ジョン・シナ氏は、米プロレス団体 WWE(ダブリューダブリューイ)のスターとして最も良く知られています。彼は俳優でもあり、中国語も話せることを、5月25日に多くの人が初めて知りました。カメラの前で、中国のファンに向けて、中国語で謝罪したのです。

何が問題なのでしょうか?中国共産党の見解では台湾は中国の一部です。台湾を国と発言すると、面倒なことになります。シナ氏の謝罪の様子です。

俳優・アスリート/ジョン・シナ
「私は、中国と中国人を人々を愛し尊敬している。間違いを犯したことを本当に本当に申し訳ないと思っている。ごめんなさい。本当に申し訳ない」

これはジョン・シナ氏の最新映画 「ワイルド・スピード/ジェットブレイク(Fast and Furious 9) 」が中国の映画館で公開されることを受けてのことです。
しかし、彼の謝罪に対し、多くの反発の声が上がっています。多くの米国人は、セレブが金銭のために中共に平身低頭していると見ています。

映画プロデューサー・作家/クリス・フェントン
「批判は100%正当なものだが、彼が批判の的になるべきなのか?私はそうは思わない」

クリス・フェントン氏は、DMG エンターテインメント映画グループの元社長です。約20年の間、大ヒット映画の製作に携わってきました。

また、「Feeding the dragon(ドラゴンの餌)ーハリウッド、NBA、ビジネスが直面するドル箱のジレンマの内幕」の著者でもあります。

フェントン氏は、中国市場に参入するために中国政府と取引することがどういうものなのかをよく知っています。それが長年の彼の仕事でした。

ジョン・シナ氏の謝罪について、フェントン氏は、契約に従っただけだと考えています。そして、もしジョン・シナ氏が表立って台湾発言を支持すれば、別の俳優に挿し替えられるだけであり、これは根の深い問題だといいます。

映画プロデューサー・作家/クリス・フェントン
「彼はこの論争には踏み込みたくなかったはずだ。 しかし、やってしまった。これを機会に物事を解決していく必要がある」

フェントン氏は、この問題は構造的であり、ハリウッドだけでなく世界中の企業が抱える問題であるため、俳優や個人だけでは解決することはできないと指摘します。

また同氏は、ジョン・シナ氏はそのキッカケなのかも知れないが、真の変化を起こすにはエンターテイメント業界がシナ氏を擁護する必要があると述べています。

映画プロデューサー・作家/クリス・フェントン
「願わくば、これをきっかけにハリウッドは率先して、このような反発と連帯の運動を広めることで、中国市場に参入している他の企業が現在の中国との関係を再調整する助けとなってほしい。中国との関係は是正されなければならないのだから」

クリス・フェントン氏は、ハリウッドがジョン・シナ氏の件で団結する必要があるだけでなく、米国と西欧諸国全体が互いの違いを超えて、中共に対抗するために団結する必要があると述べています。

〈字幕版〉

 
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