英国のあるリチウム鉱山会社の小規模な投資家グループが、中国企業による買収の可能性に対抗しています。この買収によって中共が世界のリチウム供給をより強固に掌握することになる可能性があります。投資家らは、英国の新たな国家安全保障法を利用してこの動きを阻止しようとしています。
英ロンドンに上場しているリチウム鉱山会社の小口投資家らが中国企業による買収の可能性に対抗するためにグループ化しています。
このグループは、400人の個人投資家からなり、英国のリチウム生産上場企業・バカノラリチウム(Bacanora Lithium)社の株式を6%保有しています。
一方、中国の大手リチウム生産企業・贛峰鋰業(ガンフォン リチウム)は、バカノラ社の約17%の株式を保有しており、今後贛峰社の完全子会社が約290億円を投じ、100%まで引き上げる可能性があります。
この贛峰社による買収の可能性について、小口投資家らはAIMの上場企業を過小評価しているとして反対の姿勢を示しています。
AIMとは、小規模な成長企業に向けたロンドン証券取引所のオルタナティブ投資市場のことです。
小口投資家らの贛峰社への対抗姿勢に対し、バカノラ社は小口株主らが協力することは規則で禁止されていると警告しました。また、贛峰社の入札は魅力的だと主張しています。
小口投資家らのグループは、WhatsApp(ワッツアップ)や他のソーシャルメディアを通じて集結しましたが、正式な名前はまだ決定されていません。
彼らは機関投資家らを非難するとともに贛峰社との取引を阻止するよう英国政府に要求しました。また、この取引は4月に成立した、国家安全保障上にリスクのある英国企業に対する買収を規制する国家安全保障・投資法(NS&I)に基づいて、行われるべきだとしています。
贛峰社による買収が実現すれば、中国共産党が世界のリチウム供給をより強固に掌握することになるとされています。