最近、上海復旦大学の共産党書記が、同大学数学学院の教員に刺殺されました。警察は雇用問題を原因としていますが、容疑者は犯行の動機について「ひどい仕打ちを受けていた」と話しています。
これから流れる映像に血痕を映したものが含まれるため、一部視聴者が不快に感じるおそれがあります。
メディアの報道によると、中国の名門大学の共産党委員会トップが同僚教員に刺殺されました。
容疑者は、姜文華(きょう・ぶんか)という復旦大学数学学院の教員で、6月7日午後、同学院の党委員会書記・王永珍氏を刃物で襲撃しました。
警察は、事件の動機について雇用問題が原因だと表明しています。
ネット上では、姜文華は学校との契約条件を満たさなかったため、教職を解任されたとする説が流れています。
しかし、容疑者は撮影された動画の中で、学校側が長い間、自分に対してひどい扱いをしていたと語っています。
復旦大学数学学院の元教師 姜文華
「私は職場で多くの(苦しみを味わってきた)・・今までずっと続いていた・・多くの冤罪、不当な扱いを受けてきた」
事件発生後、復旦大学は被害者の王永珍書記に関する情報を迅速に削除しました。
一方、ネット上では、加害者の姜文華のプロフィールが広く伝わっています。
姜文華は2004年に復旦大学卒業後、米国のラトガーズ・ニュージャージー州立大学で統計学の博士号を取得。2009年から2011年まで、米国国立衛生研究所(NIH)とジョンズ・ホプキンズ大学で博士研究員を務めていました。
2012年に帰国し、蘇州大学で副教授の職に就きました。2017年に人材招集で復旦大学に入り、青年研究員として6年の契約を結びましたが、目標が達成できなかったとして一方的に契約を解除されました。
情報によると、姜文華は王永珍書記によって「政治審査不合格」のレッテルを貼られ、長期にわたって昇進ができなかったといいます。刺殺事件が起きたのは、契約を解除された日でした。
中国のネットユーザーは、この事件について「幸いなことに、この男は罪のない通行人を殺さなかった 」と反応しています。
この投稿は、ここ数か月中国で立て続けに無差別殺人事件が発生していることと関係しているものと考えられます。
今月初め、中国東部安徽省で男が商店街で6人の歩行者をナイフで殺害しました。男は、家庭問題で自暴自棄になり犯行に及んだとされています。
また5月には、中国東北部の遼寧省で、道路を横断していた歩行者の集団に乗用車が突っ込み、5人が死亡した事件が起きています。中国メディアによると、加害者は犯行の動機について投資に失敗して絶望を感じていたと述べています。
復旦大学での事件は未だ進行中です。