苦境が続くファーウェイに追い打ちがかかります。最近、米国の投資銀行大手・JPモルガンが中国の通信機器大手・ファーウェイを一部債権指数から除外すると発表しました。これにより、ファーウェイが調達できる資金は減少します。
JPモルガンは、最も影響力のある債権指数からファーウェイの米ドル建て債券を除外すると発表しました。こうしたJPモルガンの動きは、米政府が中国のハイテク企業などに対する制裁を強化する流れを受けたものです。
6月3日、バイデン大統領は大統領令により米国企業がファーウェイを含む一部中国企業の証券を売買することへの禁止措置を発表しました。禁止対象となった中国企業59社は、中共軍との関係が疑われています。
JPモルガンは、同社の除外措置について指数ユーザーに通知しました。通知では、ファーウェイの2つの子会社(Proven Glory Capital Ltd、Proven Honour Capital Ltd)がバイデン大統領より指定されたとしています。
ファーウェイは、国家安全保障上の懸念から2019年に対象企業による米国製品の輸入を事実上禁止とする「エンティティリスト」に追加されていました。
エンティティリストへの追加措置は、ファーウェイに大きな打撃を与えています。ファーウェイはかつてスマートフォンメーカーとして世界最大手でしたが、現在は6位に転落しました。2021年第1四半期の決算では、市場シェアはわずか4%でした。
ファーウェイは、懸念されているリスクについて繰り返し否定しています。
JPモルガンは7月30日からファーウェイを同社の一部債券指数から除外が行われるとしています。