カナダの外務大臣は、北京市に位置するカナダのビザセンターを中国の公安局が所有する企業が請け負っていることについて懸念していないとしています。しかし、ビザ申請者の個人情報が中国共産党に流出する可能性に対する懸念が高まっています。
カナダ政府は、海外におけるビザセンターの運営をVFSグローバル社に委託しています。VFSグローバル社は、北京双雄対外サービス会社を下請け会社としています。今年2月に報道された内容で、北京市公安局が北京双雄対外サービス会社を所有していることが明らかになりました。
しかし、カナダのマルク・ガルノー外務大臣は6月7日、安全保障上の問題については懸念していないと述べました。
カナダ外務大臣 マルク・ガルノー氏
「カナダ移民・難民・市民権省がビザセンターの活動を綿密に監視し、厳格なプライバシー基準を確保している。 中国におけるVFSグローバルl社については懸念していない」
しかし、現在ビザ申請者の個人情報が中共政権に流出する可能性について指摘されています。
サイバーセキュリティコンサルタントで、カナダ政府の元アドバイザーであるロバート・ポッター氏は、カナダの日刊紙「グローブ・アンド・メール(The Globe and Mail)」に対し、中共当局は明らかにビザデータのマイニングに大きな関心を持っていると述べています。
中国の法律では、中国に位置するすべての企業は必要に応じて、データを中共当局に引き渡さなければならないことになっています。
また、中共当局が特定の人物を出国させたくない場合、ビザの取得を禁止することもできます。中共はこれまでたびたび中国の活動家に亡命を許可した他国を非難してきました。
一部の人々にとって、ビザ申請の手続きが中共当局に知られてしまうと、リスクが生じる可能性があります。グローブ・アンド・メール紙によると、中国のイスラム教徒は、申請しただけでテロリストとして扱われる可能性があるとされています。