マイクロソフトの検索エンジンが天安門大虐殺の象徴である「戦車男(Tank Man)」の画像をブロックしたようです。このブロックは米国と他の西欧諸国で一時的に発生しました。これにより中共政権がマイクロソフト社に対して、どれだけの影響力を持っているのか、疑問視されています。報道をご覧下さい。
マイクロソフト社は6月4日、中共の検閲手法を真似たようです。同社の検索エンジン「Bing」(ビング)は「戦車男」の画像検索結果の表示を全てブロックしました。
「戦車男(Tank Man)」とは、1989年6月4日の天安門大虐殺を象徴する写真の名称です。この写真には、道路を行進する軍の戦車を止めようとしている男性が写っています。
この事件は、民主主義を求めて集まった丸腰の学生抗議者を、中共軍が暴力的に弾圧した事を指します。英国放送協会(BBC)は死亡者を約一万人と推定しています。
中国では、この事件に関する議論は通常検閲され、特にその記念日にはその傾向が強くなります。
しかし今年は異例な展開で、Bingも米国で6月4日の検索をブロックしました。ほかに、イギリス、カナダ、ドイツ、シンガポールなどの国でも画像がブロックされたと報告されています。
マイクロソフトは、この状況は「偶発的な人為的ミスによる」と回答しましたが、詳細は明らかにしていません。6月7日の時点で戦車男の画像は再びBingで表示されています。
今回の事件が、Bingの中国市場に関係しているのではないか、疑問視されています。
中国でビジネスを展開している欧米企業は、中国市場に参入するために、中共の規制当局の意向に沿うことを余儀なくされることがよくあります。
これには、中共政府が政治的に問題だと判断したコンテンツの検閲も含まれます。
ロイター通信によるとBingの従業員には、中国出身者が多くいるといいます。
毎年6月4日前後になると、中共当局は、一見無害な絵文字を含めて、1989年の事件に関連するものへの検閲を強化します。
6月3日には中国の人気ソーシャルメディア微博(ウェイボー)から、キャンドルの絵文字が消えました。なぜでしょう?キャンドルは天安門広場事件の追悼祈願に使われるからです。
キャンドル以外にも、誕生日ケーキの絵文字も削除されました。これは、ケーキの上に3つの小さなキャンドルがあるからです。他のインターネットサイトも検閲の対象になったようです。
一つの事例として、人気のあるEコマースWebサイトの微博アカウントがブロックされました。このWebサイトはアリババやテンセントなどの中国大手企業が支えています。
このアカウントがブロックされたのは、6月4日に「今日は何の日?」と投稿した後のことです。