北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党総書記が着用する時計が表示するのは、時間だけではないかもしれません。金氏の健康状態を示すバロメーターになっているかもしれません。
金氏は、頻繁にスイスの高級時計ブランド・IWCシャフハウゼン製の12,000ドルする腕時計を左手首に装着しています。これは金氏の愛用品の一つだと言われています。
国営の朝鮮中央テレビ(KCTV)が6月5日に公開した映像を韓国メディアが分析したところ、以前よりも時計のベルトをきつく締めており、手首が細くなっていることが分かります。このことから、金氏の体重減少に関する様々な憶測が飛び交っています。
映像で比較すると、金氏は2020年よりもはるかにスリムに見えます。
金氏の体形変化は、ネット上での関心事に留まらず、地政学的な意味合いを持つ可能性があります。
金氏の体重について、各国の諜報機関が注視している項目の一つです。
なぜ米韓などの情報機関は、金正恩氏の体重を調査するのでしょうか?
NKニュース 上級分析特派員コリン・ズウィルコ氏
「北朝鮮は核兵器を保有しているため、彼の健康状態は外国政府の関心事となっている。この国は独裁国家であり、人格崇拝型の指導体制を敷いている。だから、指導者に何かあれば、それは周辺地域の安全保障に影響する」
専門家らにより、金一族は歴代心臓病に罹患してきたため、金氏も同様に心血管疾患のリスクが高いと長い間指摘されていました。
金正恩氏の父・金正日氏と祖父・金日成氏は、在任中に心臓発作により死亡しています。
2020年11月、韓国の情報機関・国家情報院は同国の議員に向けて、金正恩氏の体重が約140kgに増加したとの情報を明らかにしたと報じられていました。また、金氏が2011年に最高指導者になって以降、体重が約50kg増加したと推測されています。
ここ数か月、金氏の健康状態悪化が噂されていたなか、約1か月間表舞台から姿を消していました。
6月5日、表舞台に姿を現してから、金氏の突然の体重減少は外国の情報機関内で注目の的となっている可能性があります。
金氏の体重減少の原因は、健康異常かまたはダイエットによる減量なのでしょうか?または、健康状態を回復させ、「国家の代表」として寿命を延ばすための努力なのでしょうか?
その答えは、現在不明なままです。