英通信大手ボーダフォン・グループは、英国での5Gネットワーク設備のサプライヤーに韓国のサムスン電子を選択しました。これは、サムスンにとっては欧州での大きな後押しとなり、中国の通信機器大手・ファーウェイにとっては敗北となりました。
スペインやフランスの5Gプロバイダーらも、サムスンと協議を行っています。
英国は、国家安全保障上のリスクを理由に、すでに5Gネットワークに設置されているファーウェイ製の通信機器を完全に排除する方針で準備を進めています。
サムスンは、欧州での成長を維持するために、同地域での事業展開を重視しているとしています。
欧州の5G基地局市場では現在、ノキア、エリクソン、ファーウェイの3社が高いシェア率を保持しています。一方、サムスンは昨年9月米通信大手・ベライゾンとの大型契約の締結により、米国での躍進を目指しています。
ルーマニア ファーウェイの5Gネットワーク構築への参与を禁止する法案に署名
欧州南東部に位置するルーマニアでは、クラウス・ヨハニス大統領が6月11日に中国企業に対する法案に署名しました。この法案は、中国の通信機器大手・ファーウェイを、安全保障上の懸念から同国での5Gネットワーク構築への参与を禁止するものです。
同法案は、2019年に米国とルーマニアの間で交わされた覚書に起因します。覚書では、外国政府の管理下にあり、所有構造の透明性が低い企業を、5Gネットワーク構築から排除すると決定していました。
中国の大手企業の多くがこの覚書に該当すると考えられています。
米国は、ファーウェイを中国共産党の世界的な監視システムの強化を実現させるための道具だと見ています。
一方、ファーウェイ側は依然として中共政権のための諜報活動を否定しています。