リトアニアは台湾との関係を深化し、中国共産党から距離を置いています。リトアニアは最近、台湾に事務所を開設する計画を発表しました。一方、中国が中東欧諸国と推進してきた経済協力枠組みからはすでに離脱しています。
ロシアと国境を接するEU加盟国のリトアニアは、中共への懐疑的な態度を見せており、台湾や香港との関係強化を進めています。
7月1日、リトアニアは年内に台湾に貿易事務所を開設する計画を発表しました。
リトアニアのこの動きは、「一国二制度」政策を掲げ、台湾を自国の領土と主張する中共の反感を買いました。
台湾に大使館を設けている国はほとんどありません。
その代わり、いくつかのEU諸国が台湾に駐在員事務所や貿易事務所を設置しています。
これに対し、中共外交部の汪文斌報道官は、台湾におけるあらゆる形態の公的機関に「断固として」反対すると表明しています。
一方、台湾外交部はリトアニアの協力に感謝の意を表しています。
リトアニア、台湾双方は親善の深化を猛進しています。
リトアニア政府は6月22日、台湾に英アストラゼネカ製ワクチン2万回分を無償提供することを決定しました。これを受けて、台湾ではリトアニアの商品を購入して謝意を伝える他、リトアニアへの寄付が相次いでいます。
また、台湾は昨年、リトアニアに10万枚のサージカルマスクを無償提供しています。
リトアニア政府は、中共に対する強硬姿勢を強めており、5月下旬中国が主導する経済協力枠組みからの離脱を宣言しました。
中国と中東欧16か国およびギリシャで構成される協力枠組み「17+1(セブンティーン・プラスワン)」は、中東欧との関係強化や投資促進を目的として、中共主導の下2012年に発足されました。
しかし、この枠組みは西欧からの懸念を引き起こしており、中共が欧州の分断を図っているのではないかと懸念されています。
リトアニアは、他のEU加盟国にも追随して枠組みから離脱するよう促しています。
他にも、リトアニア議会は5月20日、中共によるウイグル人への弾圧を「ジェノサイド」と認定しました。
しかし、中共は人権侵害について「真っ赤な嘘」だとして、ジェノサイド認定を批判しました。
香港においては、リトアニアは香港から離れることを考えている香港市民に、多くの機会を提供してくれる可能性があります。
中共により強行的に施行された国家安全維持法によって、多くの香港人が政治的圧力にさらされています。
香港の民主派ネットメディア「立場新聞(スタンド・ニュース)」は、リトアニアが香港市民に向けた、移民手続きの簡素化を検討しており、近い将来実現する可能性があると報じています。
中共は、リトアニアの対中強硬姿勢に対して猛反発しています。
中国共産党機関紙「環球時報」は、このような「小国」であるリトアニアが、大きなトラブルを招いていると論評しました。