中共の人権侵害を描いたアニメーション映画が、カナダの映画祭で複数の賞に輝きました。この作品は、中共の迫害によって母親を殺された、ある5歳の中国人少女の感動的な物語です。報道をご覧下さい。
「ピーボディ賞」を受賞した李雲翔(レオン・リー)監督の最新作は、中国共産党の現代の迫害を描いたもので、複数の賞を獲得しています。
作品「Rag Doll(ラグドール)」は、カナダ・ブリティッシュコロンビア州で毎年開催される権威ある「レオアワード(Leo Awards)」のベストアニメーション映画部門において、最優秀アニメーション賞、最優秀美術賞、最優秀脚本賞、最優秀監督賞に輝きました。
この映画は、LA国際短編映画祭( The LA Shorts International Film Festival)などの4つのオスカーに匹敵する映画祭でノミネートされました。
本作は、信仰を理由に母親が中共政権によって殺された、5歳の中国人少女の悲痛な物語を描いています。
NTD記者
「この映画を作るにあたって、何があなたのインスピレーションになりましたか?」
映画「ラグドール」監督の李雲翔
「私は長い間、中国の人権問題をテーマにした映画を制作している。そんな中、中国から逃亡した幼い孤児たちと出会う機会があった。彼らは犠牲者だ。なぜなら、両親が中国で不当に逮捕されたからだ。中には、学校を退学させられたり、ホームレスになり、拷問を受けた子どもたちもいる。この映画に描かれているシーンの大部分は実際の出来事であり、私が中国の孤児たちに行ったインタビューに基づいている。映画についてあまり多くを明かさないが、それが本質的なストーリーだ。」
NTD記者
「あなたの映画では、ある少女に起きた悲惨な出来事を描いています。このような出来事は、中国の他の子供たちにも起きていますか?」
映画「ラグドール」監督の李雲翔
「その通りだ。残念ながら、親が良心の囚人となったために孤児になった子供たちの数を示す公式統計はない。しかし、異なる年度のさまざまな報告によると、その数はかなり多い。例えば、法輪功への迫害では、何百万人もの人々が、その被害に遭っていることが分かっている」
法輪功は、法輪大法としても知られる精神修煉法です。中国共産党は、それまでは国内で広く普及されていたにもかかわらず、1999年に残酷な迫害運動を開始しました。
李監督は、ストップモーション(コマ撮り)映画を選んだ理由について、孤児たちが体験したことを実写で観るのは、視聴者には耐えられないだろうと考えたからだと言います。
李監督は、「ラグドール」では孤児が耐え忍ばなければならなかった苦難を描き出そうとしたと述べています。
映画「ラグドール」監督の李雲翔
「もちろん、これをどんなに表現しようとしても、中国で犠牲者が経験した恐ろしい状況と比較できるものではない。私は、警察に拘束され、強制収容所で働くことを余儀なくされた子供たちにもインタビューしたことがある」
NTD記者
「映画の主人公である孤児の少女について詳しく教えてください」
映画「ラグドール」監督の李雲翔
「『ラグドール』は、実際の出来事であり、私が複数の人から聞いた話に基づいている。その1人がルナだ。法輪功への迫害によって母親を亡くした。ルナに関しての対話型の記事が、ウェブサイト「ragdollfilm.com」にあり、彼女が経験したことを詳しく伝えている」
李監督は、ストップアニメーションが好きな人には、是非この映画を観てほしいと伝えています。現在YouTubeで、無料で視聴することができます。
李監督はまた、2014年に制作したドキュメンタリー作品「ヒューマンハーベスト(人狩り)」で米放送界の最高の栄誉とされるピーボディ賞を受賞しています。この映画では、中国の臓器移植産業の闇を暴露しています。
NTD記者
「2014年のピーボディ賞を受賞した映画についても、少し話していただけますか?」
映画「ラグドール」監督の李雲翔
「ヒューマンハーベスト(人狩り)」は、8年の歳月を費やしたドキュメンタリーだ。それは中国での恐ろしい強制臓器摘出の実態を暴いており、主に法輪功学習者、チベット人、ウイグル人が標的となっている。しかも最近、その規模が拡大している。現在中国には多くの良心の囚人がおり、強制臓器摘出の対象となっていると考える。また、この映画の公開後に証拠が山ほど出てきた。したがって、現時点では、中国で強制臓器摘出が行われていることに議論の余地はない。残る問題は、それを止めるために何をするべきか、ということだけだ。」
李監督は現在、「アンサイレンスト(沈黙しない)」というタイトルの作品に取り組んでいます。この映画は、中国のメディア検閲をテーマにしており、今年秋の公開を目指しています。