最近、日米欧などの各国政府が中国からのハッキング行為を非難したことに対し、中共政府は反発しています。20日、中共外交部は非難声明に反論し、欧米諸国が中国を攻撃し、何の根拠もなく非難をしていると主張しました。
中共政府関与のサイバー攻撃によるスパイ行為を非難する日米欧などの各国政府の声明に対し、中共政府は反発しています。
19日、日米を含む13か国は、今年3月に明らかになったIT大手マイクロソフトの企業向け電子メールソフト「エクスチェンジサーバー」への大規模なサイバー攻撃について、中共政府がハッカー集団を雇っており、重要な情報や技術を窃取したとして、一斉に非難する声明を発表しました。
米国、欧州連合(EU)、英国、北大西洋条約機構(NATO)、カナダ、日本、ニュージーランド、豪州の各国政府は、中共政府に対し、サイバー攻撃によるスパイ行為を止めるよう求めました。
一方、中共外交部は7月20日の定例記者会見で、米国とその同盟諸国が中国を攻撃していると反発しました。また、スパイ行為への非難には根拠がないとし、米国が提示した証拠は不十分だと主張しています。
中共政府はまた、米国が世界で最もサイバー攻撃を行っている国であると非難しました。しかし、中共はこのような強硬な態度を示している一方、報復の可能性については言及しませんでした。
中共政府により日米やその他の国へのサイバー犯罪が頻繁に発生していますが、そのサイバー能力は米国に比べて10年近く遅れています。
英国のシンクタンク、国際戦略研究所(IISS)が6月28日に発表した報告書では、日米欧や中国、東南アジアなど世界15か国のサイバー能力を分析し、ランク付けしました。サイバー分野において、米国は他国を圧倒しており、各国をランク順で3つのグループに分けた際、米国は第一級に分類された唯一の国です。
一方、中国は第二級に分類されました。中国は2030年までに米国を超えることを目指していますが、核となるサイバー防衛の分野では現状、脆弱性があります。同研究所のサイバーセキュリティ専門家は、中国のサイバー能力に関するメディアの偏向報道が、中国の実際の能力に対する「誇張された」認識につながっていると指摘しています。