台湾外交部は7月20日、リトアニアの首都ビリニュスに代表機関を開設すると発表しました。代表機関の名称は「台湾代表処」としており、欧州で使用される初の呼称となります。
海外にある台湾の出先機関の名称には通常、台湾の首都である「台北」が用いられています。
「台北」が使用されている理由は、中国共産党が掲げる「一つの中国原則」に配慮したためです。中共は、台湾を自国の領土の一部とみなし、中国本土が台湾における唯一の合法政府であると主張しています。
しかし、中共が台湾を支配したことはなく、また台湾は独自に選出された指導者、憲法、軍隊を有しています。
台湾に駐在する米代表機関「米国在台湾協会(AIT)(べいこくざいたいわんきょうかい)」は声明の中で、台湾の代表機関開設への支持を表明しています。
「すべての国は、優れた民主主義国家であり、主要な経済大国であり、世界の善を促進する力である台湾とのより緊密な関係と協力拡大の追求において、自由であるべきだ」
しかし、台湾のこうした動きは、国際社会において台湾を孤立させようと働きかけている中共政権の怒りに触れました。
台湾外交部の呉釗燮(ご しょうしょう)部長は、「台湾とリトアニアは、民主主義制度を守る戦いの最前線にある」と述べています。
また、呉氏はリトアニアでの代表機関の開設を「非常に意義深い」と述べています。このことは、欧州の一部の国々が、中共の反感を招くことを恐れず、台湾との関係強化を模索していることを示唆しています。
台湾と正式な外交関係が持つ国は、15か国しかなく、リトアニアも台湾との国交がありません。そのため、他の多くの国に設置される台湾の出先機関は通常「台北経済文化代表処」と呼ばれています。