中国河南省は今週記録的な大洪水に見舞われ、甚大な被害を被りましたが、中共の官製メディアは無視しているようです。数日前、北京が深刻な洪水に見舞われたときも、官製メディアは欧州の洪水被害を大々的に報じるとともに、雨上がりの北京の夕焼けの美しさを称えました。
中国共産党の官製メディアは懸命に報道に励んでいるように見えます。しかし国内の大洪水はその対象外のようで、事実を報道する代わりに危機的な状況を美化しています。
中共の官製メディアは何世代にもわたって、この種のプロパガンダ手法を使用してきました。
その一例が最近の北京の豪雨です。豪雨によって北京は何日も浸水が続いています。
官製メディアはこの状況を報道する代わりに、「雨後の空に現れたバラ色の夕焼け」を満喫するよう人々を促しました。
ソーシャルメディアには濁流が道路を流れる動画が投稿されました。地下鉄の駅は浸水し、道路は寸断され、土砂崩れの被害が出ています。
荒れた天候のため、7月18日には多くの列車が運休し、北京首都空港と北京大興国際空港では計350便が欠航となりました。
北京市民の一人が7月18日に地下鉄の駅構内で撮影した動画を投稿し、その様子を洞窟の中の滝に例えました。
北京在住の国さん
「雨足が強すぎて空を見ることさえできない。どこもかしこも霧の中だ。空は霧に閉ざされて何も見えない。激しい雨が降り注いで、まるで川や滝のようだった。この状態が少なくとも一昼夜続いた」
これは、増水により土砂崩れが起き、道路が通行不能になった様子です。しかし中国共産党の機関紙「人民日報」は別の事象にスポットを当ています。
7月18日、人民日報は微博の公式アカウントで、ごく簡単に災害に言及した後、「雨が上がった後の北京で見えたバラ色の夕焼け」を満喫するよう市民を促しました。
北京在住の国さん
「私たちは北京に住んでいるが、見ることができなかった。彼らは夕映えの雲が現れたと言っているが、夕焼けなんて見えなかった。私たちの目に見えるのはどこもかしこも暗雲だらけ、空も地上も地獄のように暗い。北京はどこも水浸しだ」
この前日、中共政権下のトップ放送局である「中央テレビ(CCTV)」は欧州の洪水を大々的に報道していました。
北京在住の国さん
「中国では各種災害で一体どれほどの中国人が亡くなったのか?人が死のうが死ぬまいが誰も気にかけてはいない。毎日のように川面には死体が浮かんでいるが、誰もそれを報道しない」
中国の多くの地域では今なお暴風雨が吹き荒れ、この状況はさらに数日続くと予想されます。