政府の締め付け強化が中国株に打撃

中共政権による民間企業への締め付け強化が株式市場に衝撃を与えています。中国本土の証券取引所のブルーチップ指数とされているCSI300指数は、7月28日一日だけで3.5%下落しました。香港ハンセン株価指数は28日だけで8%近く、直近3日間では17%も下落しています。

投資家は締め付けが他の分野に広がることを恐れています。投資家は今後どうしたらよいか、専門家に尋ねました。 報道をご覧ください。

中共政権が民間企業への締め付けを強化する中で、中国株を保有している投資家は高まるリスクに直面しています。

中国IT企業は株式市場の時価総額で数千億ドル(約数十兆円)の損失を被っており、売りが売りを呼ぶ展開にまだ終わりが見えていません。

外国為替分析と関連ニュースを提供するFXストリート(FXStreet)社のアナリスト、ジョセフ・トレヴィサーニ氏は、中共政権が危惧しているのは経済のコントロールを失うことだといいます。

FXストリート社の上級アナリスト ジョセフ・トレヴィサーニ氏
「IT企業は中国において情報アクセスの大半をコントロールしている。そして中国(共)は情報への自由でオープンなアクセスが認められた国ではない。これは直接的な脅威となる」

それに加え、ジョセフ・トレヴィサーニ氏によれば、中共政権は社会不安を避けたがっています。現在のインフレ率は中国の消費者に反感を呼び起こす可能性があります。

FXストリート社の上級アナリスト ジョセフ・トレヴィサーニ氏
「締め付け強化の狙いの一つは、物価の高騰が消費者経済に悪影響を及ぼさないように、企業を脅して物価上昇を抑制することだ」

キャピタル・エコノミクス社の上級マーケット・エコノミストのオリバー・ジョーンズ氏は、最近の事象から中共当局が以前にも増して投資家を動揺させても構わないと考えていることが分かると述べています。大口投資家はすでに株式の売却に着手しています。

投資運用会社であるArk Investの創設者キャシー・ウッド氏は今月、中国株の保有割合を0.5%以下にまで減らしています。売りが売りを呼ぶ激しい動きは、投資家心理の悪化を反映しています。

中共当局はIT企業に対する締め付けに続き、最近は教育業界に狙いを定めています。

急速な成長を見せた個人指導の教育関連企業は、利益を出すことも株式市場で資金を調達することも阻まれています。香港市場でテンセント株は9%下落し、過去10年で最悪を記録しました。

中国のショッピングプラットフォーム美団の株式が暴落した直後、中共規制当局はフードデリバリー業界の従業員に関する新たなガイドラインを発表しました。

テンセント、アリババ、美団の三社を合わせると、過去48時間で損失合計額は約2400億ドル(約26兆4000億円)に達します。しかしトレヴィサーニ氏は今はまだ投資家は中国株から手を引くべきタイミングではないと述べています。

FXストリート社、上級アナリストのジョセフ・トレヴィサーニ氏
「今回の相場の急落は経済の内部構造による動きとは異なっている。これはトップダウンの命令による相場変動であり、警告であるが、それが撤回される可能性もある」

こうなってしまった後でも、中国の株式市場が通常の相場に戻るということは、十分考えられるとトレヴィサーニ氏は述べています。

〈字幕版〉

 
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