キューバの抗議現場の案外近いところに、中共軍がいるかもしれません。スペイン語メディアが、ハバナの郊外で、中共軍がキューバの特殊部隊に準軍事訓練を施している様子が映っている一連の写真を入手しました。
新しいスペイン語メディア「ADN キューバ」は最近、一連の写真を入手しました。黒い制服を着ているのは「ブラックベレー」という名で知られるキューバ政権の特殊部隊で、緑色の制服を着ているは中共の武装警察で、中共軍の一部門です。
NTDの番組「トーキング・ポインツ(Talking Points)」の司会者デービッド・ジャンがADN の記者と亡命中のキューバ人作家に詳細を伺いました。
ADNキューの記者 へレット・マルティネス・フラヘラ氏
「これらの写真は最近バイデン政権から制裁を受けた当該組織ブラックベレー等のグループの間でプライベートにシェアされている。これらの写真が出回り始めたのは2月頃で、キューバの国営メディアが中国(共)軍の近代化に関する記事を掲載したのとちょうど同じ時期だ」
米財務省のプレスリリースによると、キューバ政権はキューバの最近の反共産主義抗議運動においてデモ隊を弾圧・攻撃するためにブラックベレーを投入しました。
米財務省は先週、人権侵害を理由にブラックベレーを制裁しました。
ADNキューの記者 へレット・マルティネス・フラヘラ氏
「おそらく1年ぐらいになると思うが、キューバ政権は暴動の発生を予想していると自らキューバ国民に言い続けそてきた。彼らがこの暴動を予想し、暴動を想定して鎮圧の訓練を長期間行っていたことは火を見るよりも明らかだ」
中共の武装警察は、いわゆる「社会の安定維持」任務に特化した組織です。
2019年の香港における抗議運動で、北京当局は抗議者の弾圧に武装警察を派遣したとされています。
複数の外交官がロイターに語ったところによると、当時香港には4000人もの武装警察がいたといいます。
人権団体「キューバ民主会議」広報担当 オーランド・グティエレス-ボロナット氏
「香港との類似点としてまず私の目に付いたことは、ブラックベレーが当初昼間には投入されず、夜間にだけ投入されたということだ。
ブラックベレーがデモの大群衆に対処することはなかった。彼らは抗議者を特定し、ローラー作戦で家宅捜索し、抗議者を家から引きずり出して逮捕したのだ」
ADNは写真がキューバでいつ撮影されたかを確認できなかったが、撮影された場所は特定できたといいます。
ADNキューの記者 へレット・マルティネス・フラヘラ氏
「写真が撮られたのは、ハバナの東約25kmに位置する「ポイント0.0」と呼ばれる基地だ。この場所は過去にラテンアメリカに配備されたこともある準軍事組織の訓練地として知られている」
フラヘラ氏によると、キューバのブラックベレーは最近の抗議運動が始まる前から反体制派や活動家の弾圧に従事していたといいます。
米国の海岸から僅か144キロしか離れていないところでこのようなことが起きているとして、フラヘラ氏は米国に注意を呼びかけています。
〈字幕版〉