東京五輪では、多くの中国選手がメダルを獲得しています。しかし、金メダルを逃した選手らは、獲得できなかったことを謝罪しています。また、中国のネットユーザーや当局者らは、東京五輪において多くのことに腹を立てています。一部の批評家は「金メダルのみ」という考え方が、中国の選手らを追い詰めていると指摘しています。
8月3日の時点で、中国は東京オリンピックの金メダル獲得数において首位に立っています。しかし、当局が期待していたほどの金メダルは獲得していません。
東京五輪の新種目・卓球の混合ダブルスでは、中国のペアが金メダルを獲得すると予想されていました。
官製メディアの中央電視台(CCTV)は、試合が終了する前から中国選手らの勝利を報道し始めました。
しかし、最終的には対戦相手の日本に敗れ、中国は銀メダルにとどまりました。
元中国バスケットボール選手 鞠賓氏
「(CCTVは)試合が終わる前から、まるで中国が金メダルを獲得したかのように報道していた。その意味は、中国が金メダルを獲得しなければならないということだ。彼らは試合を見ているのではなく、メダルしか見ていない。『メダル第一主義』が人々をおかしくしている」
中国のアスリートには大きなプレッシャーがかかっています。卓球の混合ダブルスで敗れた中国人選手は、金メダルを獲得できなかったことを謝罪しました。
劉詩雯(りゅう・しぶん)選手はインタビューで涙を流しながら、「私はチームを失望させ、皆さんを失望させた」と述べました。
男子団体総合で銅メダルを獲得した男子体操チームの中国選手らも謝罪しました。その理由とは何なのでしょうか。
中国バスケットボールナショナルチームの元選手 陳凱氏
「中国の選手は勝つことしか許されない。負けるわけにはいかないのだ。いわゆる国民の期待や地域社会から認められること、政府からの圧力、これらすべてが彼らに勝利を強いるのだ」
ニューヨーク・タイムズ紙は、中国のスポーツ選手育成システムの目的はただ一つで、それは国家の栄光のために金メダルを獲得することだと報じています。
ニューヨーク・タイムズによると、中国オリンピック委員会の苟仲文(こう・ちゅうぶん)会長は東京オリンピック開催直前、「我々は断固として、金メダル獲得数において第一位を確保しなければならない 」と述べました。