中共 チベット僧院を強制的に閉鎖

中共当局は、チベットの僧侶を強制的に追い出し、チベット仏教僧院を閉鎖しました。その際、大規模な衝突が起こり、その様子がビデオに収められました。中国共産党による「信教の自由」への侵害行為が、今回映像として収録されました。

中共当局は最近、悠久の歴史を有するチベット仏教サキャ派の僧院「紅城寺」を強制的に閉鎖しました。

紅城寺は、中国・甘粛省臨夏回族自治州永靖県に位置しています。同省における人口の一部はチベット族です。僧侶らは地元警察により強制的に追い出されました。また、警官らは僧侶らに対して還俗(げんぞく)を迫りました。

映像には、多数の地元政府関係者と僧侶が衝突している様子が捉えられています。多くの僧侶が逮捕され、涙を流す僧侶もいます。

一部の僧侶は、屋根の上に登り、寺を死守すると宣言したりするほか、「僧侶への強制還俗、国法が許さない!」と書かれた大きな横断幕を掲げ、警官らに対する抵抗を示す者もいます。

地元当局が同僧院を閉鎖した理由は明らかになっていません。しかし、評論家らの間では、いくつかの推測が立っており、中共当局が寺院の土地に興味を持っているのではないか、または当局のチベット仏教に対する弾圧の動きではないかと指摘されています。

また、パンデミックの期間において同僧院には32万元(約550万円)近くの寄付金が集まったとされており、このことを受けた地元政府は寄付金を政府と折半することを要求しましたが、僧院側が拒否したため、当局は僧院への抑圧に乗り出したのではないかとも疑われています。

今回の当局の措置により、チベットでの人権問題における進歩を主張する中共に対して疑問の声が上がっています。今回と同様の事例として、45年前の文化大革命の際に、僧侶を強制還俗させたことで知られています。

紅城寺は、13世紀モンゴル帝国のフビライ・ハンの命により建立(こんりゅう)された僧院です。最盛期には、3000人以上の僧侶が在寺していたといわれています。

 
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