中共政府は、中国が米国から購入することで合意した品目も含め、特定の品目について、国有企業などに対し最大100%中国製品の割合で調達するよう密かに命じていたことが明らかになりました。
このことは、世界貿易機関(WTO)との合意、また米国との経済貿易協定の「第一段階」通商合意に反しています。
ロイター通信によると、今年5月、中共政府は政府調達に関する新たなガイドラインを打ち出しました。
同ガイドラインは、中共財務部と工業情報化部が発行したものです。
ガイドラインには、315の品目が記載されており、中共政府は国有企業などに対して、これらの品目について、25%から100%の割合で中国製品の調達を義務付けています。
対象となっている品目は、医療機器から畜産資材や科学研究関連用品に至るまで、多岐にわたります。
米国の元政府関係者は、ガイドラインの文書のコピーを入手しており、文書の一部をロイターに対し読み上げ、「中国政府は外国のサプライヤーに対して新たな障壁を築いている」と指摘しました。
元政府関係者は匿名を希望しています。彼は「中国は世界貿易機関(WTO)に加盟する際、このような内部文書を発行しないと約束していた」と述べました。
内部文書は、2020年の米中経済貿易協定の「第一段階」通商合意にも違反しています。
例えば、中共政府はこの通商合意に基づき、米国から医療機器をより多く購入するとしていました。しかし今、中共当局は国内の病院に対し、中国製品の調達を命じています。
元政府関係者は、「中国は新たな障壁を作るのではなく、障壁を減らす必要がある」と述べています。
文書は公に公開されません。また、中共政府はこの文書に関する問い合わせには答えていません。