IT企業に対する締め付けで最近中共が狙い撃ちしているのは「快手科技(クワイショウ)」です。現時点までで、IT業界の損失は数兆ドル(数百兆円)に達しています。専門家はこれらの銘柄の近いうちの株価回復は見込めないと述べています。
中国の動画投稿アプリ大手「快手科技」の株価が最安値を更新しました。ロックアップ期間終了後、投資家が株式を投げ売りしたのが原因です。これは中共によるネット関連企業への締め付けを恐れる投資家心理の表れです。
快手(海外版は『Kwai』)の株価は現在、上場初値(はつね)から20%以上下落しています。これは中国のIT企業に対する1兆ドル規模の締め付けの一環にすぎません。
専門家は、これは中共の優先課題を達成するために投資家の利益を犠牲にしても構わないという中共政権の姿勢を映し出してると指摘します。
国際的な政治リスク分析・コンサルティング会社のアンダース・コアー氏は、習近平氏は米国とのデカップリングにも繋がりかねない波及効果にまで頭が回っていないと述べています。今投資家は神経を尖らせています。
ジャーナル・オブ・ポリティカル・リスク』誌(コアー・アナリティクス社)発行人 アンダース・コアー氏
「だから投資家は、国営メディアが発する情報源を探している。政府が捜査を行ったという情報ならどんな小さな情報にでもアンテナを張っている。数十億ドルが吹き飛ぶかもしれないと予測されるからだ」
中国の評論家の任意氏は、企業や投資家が中国の規制強化を予測することにおいて「遅れている」と言います。
例えば、国営メディアが動画プラットフォームの「低俗な」コンテンツを批判したときに、快手のような動画やライブストリーミングの最大手の投資家が反応するのです。
コアー氏は、「習近平氏は中共の影響力の拡大を目論むと同時に、中国社会に対して一定の諸原則を強要している」と言います。しかし共産主義政権である以上、必ずしも最高の経済的思考に準拠しているわけではありません。
『ジャーナル・オブ・ポリティカル・リスク』誌(コアー・アナリティクス社)、発行人のアンダース・コアー氏
「政治局の幹部たちはおそらく習近平に欠陥だらけの経済分析を提出している。何故なら、その分析は習近平を喜ばせることに主眼を置き、習近平の思い込みや偏見に迎合しようとするものだからだ」
コアー氏は、西側諸国は習近平氏の攻撃的な姿勢、略奪者の手法に気づきつつあるので、大口投資家は投資を引き揚げるだろうと考えています。
実際、キャシー・ウッド氏のアーク・インベストメント社は、IT企業への締め付けが強化される中早々に中国株を売却処分していました。
『ジャーナル・オブ・ポリティカル・リスク』誌(コアー・アナリティクス社)、発行人のアンダース・コアー氏
「略奪者の手法とも言える中国(共)の攻撃的な姿勢は強まる一方だ」
この状況はすぐには変わらないだろうとコアー氏は述べています。