世界各地にいる中国人の亡命申請数が過去最多に達しています。2020年に亡命申請をした中国人は、2012年以降約7 倍に増加しました。これは、中国における人権状況が年々悪化していることを示唆しているとされています。報道をご覧ください。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のデータによると、2012年から2020年までの間に、海外亡命を希望する中国人の数が600%以上増加し、約61万人以上が亡命していることが分かりました。
中共政府の抑圧・迫害により、多くの人が中国から亡命しています。2020年には、亡命希望者の約7割が米国に亡命申請を行いました。亡命希望者の多くが観光ビザやビジネスビザで海外に渡航し、亡命申請を行います。
亡命希望者の職業的身分は異なるものの、1つ共通していることとして、中国共産党による抑圧及び迫害を受けていることが挙げられます。弁護士、ビジネスマン、信仰者など、様々な人物が亡命しています。
中国で迫害を受けている弁護士の多くは、人権派弁護士です。彼らの多くは、逮捕、裁判、懲役刑に直面しています。
こうした国内情勢のため、人権弁護士の呉紹平(ご・しょうへい)氏は2019年に中国から亡命しました。呉氏は法輪功学習者を法廷で弁護しようとしたことから、中共当局の標的となりました。
法輪功(ファルンゴン)は、心身修養法です。法輪功は人気を博していたが、中共の元総書記・江沢民により1999年に法輪功に対する残忍な迫害が開始されました。
呉氏は、中共当局との間に何があったかについて、NTDに語ってくれました。
元弁護士 呉紹平氏
「私と友人や他の人権派弁護士が食事会をしていた。大勢で集まっていたので、中共に追跡されてしまった。逮捕されることを恐れて、多くの人が中国から逃亡した」
また、別の亡命者にも話を伺いました。彼は上海でビジネスマンとして働いていましたが、「地下教会」に通っていたために標的にされました。地下教会とは、中共政府の許可を受けていないカトリック系教会です。
ビジネスマン 王彥さん
「私たちは、上海で地下教会を設立した。これは中国共産党が許さないことだ。彼らは人々を逮捕しはじめた。私はなんとか逃げ出した。この時、私は10年間のビザを持っていたので1万元(約17万円)以上する航空券を購入し、渡米した。
中共政府は、過去最多の亡命者数をどう見ているのでしょうか。報道によると、当局が自国民に発行するパスポートの審査を厳格化し、2年前より98%も減少しているとされています。