ソウルオリンピックの銀メダリストが、中国のコーチが組織的にドーピングを指示していたことについて明かしました。東京オリンピックでは、一部中国人選手の性別について、憶測が広がっていました。
元オリンピック水泳選手が、中国共産党当局の命令でコーチ陣からドーピングを受けていたことをエポックタイムズの番組で語りました。
黄暁敏(ファン・シャオ・ミン)さんは、中国の水泳選手として初めてオリンピックでメダルを獲得した選手で、1988年のソウルオリンピックで、女子200メートル平泳ぎの銀メダルに輝きました。
その2年前、黄さんは既にアジア最強の女子平泳ぎ選手という評価を得ていました。黄暁敏さんは現在、韓国の水泳ナショナルチームのコーチを務めています。
東京五輪2020は、公式にトランスジェンダー選手が出場した初めてのオリンピック大会となりました。
一部の中国人選手も注目を集めました。彼らは女子チームに参加していますが、多くの点で男性のように見えます。中共当局者は彼らが生物学的に女性であると説明していますが、納得しない人も少なくありません。
黄さんは、中国の選手は1980年代からPED(運動能力強化薬物)の摂取を指示されており、これは決して新しい試みではないといいます。
ソウル五輪メダリストの黄暁敏氏
「80年代からすでにPEDを使用していた。「服用禁止薬物」と総称されるものだが、実際にあれはドーピングだった」
黄さんによると、PED摂取は当局の命令で、コーチが手配したものだったといいます。
ソウル五輪メダリストの黄暁敏氏
「訓練の段階ごとに、どのPEDをどのように摂取するかが決められている。訓練の各段階で、トレーニングサイクルに合わせて薬の摂取が行われる」
黄さんはアジア競技大会で金メダルを取った後、コーチからドーピングを受け始めたといいます。彼らの目は五輪に注がれていたのです。
当時、黄さんは最も有望な選手で、世界ランキングでもトップを争う実力でした。
ソウル五輪メダリストの黄暁敏氏
「彼らは私がメダルを獲得すると期待していたのだ。その時から、彼らは私を対象に組織的訓練を開始し、あのPEDを投与し始めた。一歩一歩計画的に実行された」
コーチはPED摂取を手配しただけでなく、ドーピング規則違反を回避する方法まで教えたといいます。
ソウル五輪メダリストの黄暁敏氏
「彼らはそれが禁止薬物であることを知っている。試合の一定時間前から摂取を止めるよう指示する。すると、ドーピング検査に引っかからない」
黄暁敏さんによると、女性が禁止薬物を服用すると生理不順になり、声は男性のように荒くなり、喉仏も目立つようになり、外見が男性のように変わるといいます。しかし、体に対する影響が大きく、黄さんの体調は急速に悪化し、24歳で競技人生を打ち切るしかありませんでした。
黄さんはその後、長い間心臓病と激痛に苦しむことになりました。
ソウル五輪メダリストの黄暁敏氏
「アスリートとしての絶頂期に訓練を止めたいなんて言えると思う?絶対に許されない。彼らは党が君を必要としている、国が君を必要としていると言うでしょう。だから訓練を続けないといけないと言われたら、どうする?どうすることもできない。あの社会の中であなたにできることなんて何もない」
黄さんは、中国人選手を見ると若い頃の自分を見ているようだといいます。中国人選手の苦しみと葛藤を理解しているからこそ、彼らを気の毒に思い、悲しい気持ちになると述べています。