フランスの大手自動車メーカー・ルノーは8月9日、中国市場での新たな事業を検討していると発表しました。同社は、中国企業とハイブリッド車(HV)の合弁会社設立に向けた枠組みで合意しました。ルノーは昨年、世界最大の自動車市場である中国での合弁事業を解消しています。
フランスの自動車大手メーカー・ルノーは、中国市場における存在感の再確立を視野に入れています。
ルノーは昨年、中国での合弁事業を解消していました。
しかし、同社は8月9日に中国民営自動車大手・浙江吉利控股集団(ジーリーホールディンググループ)と、同国でのハイブリッド車の生産・販売に関する覚書を締結したと発表しました。
今回の合弁事業では、吉利(ジーリー)が自社の技術、サプライチェーン、生産施設を生かして、ルノーブランドのハイブリッド自動車を生産します。販売及びブランディング戦略はルノーが担います。
ハイブリッド車は、ガソリン車に比べて低燃費であることが特徴です。また、現在では世界的な自動車規制の強化に伴い、普及が進んています。
ルノーにとって今回の締結は、販売低迷により昨年4月に東風汽車集団との合弁事業からの撤退以来、中国市場での存在感を再確立するチャンスでもあります。
一方、吉利にとっては他の自動車メーカーと提携することで、将来における電気自動車(EV)などの技術開発コストを削減することができます。
またこの合弁事業により、ルノーが20年以上前から参入している韓国市場にも、吉利が進出することになります。
他の自動車メーカーとの提携は、ルノーが長年にわたり恩恵を受けてきた戦略であり、グローバルパートナーである日産との提携関係が例として挙げられます。
ルノーの今回の事業が日産との提携関係にどのような影響を与えるかは、現段階においては明らかになっていません。
日産の幹部2人はロイターに対し、この新たな事業については知らなかったが、吉利のサプライチェーンを利用できれば日産が利益を得る可能性もあると語りました。