中国では法輪功学習者に対する迫害がいまだに続いています。東北部の吉林省四平市梨樹県裁判所は今年2月に、長春地区の法輪功学習者14人に懲役7年から9年の不当な判決を下しました。うち、7年半の判決を宣告された55歳の付貴華(ふ・きか)さんは、度重なる拷問により、2か月もしないうちに死亡しました。死因について、刑務所側による明確な説明はないとのことです。
1966年生まれの付貴華さんは、様々な病気に悩まされていました。神経衰弱、肝硬変、心臓病、喘息、肺炎、腎不全、糖尿病など10以上の持病に加え、坐骨神経痛によって、横になると自力で起き上がることができず、誰かの手助けが必要でした。
付貴華さんは1996年6月から法輪功の修煉を始めたことで、それまで患っていたすべての持病が治り、健康な体を手にすることができました。
法輪功とは1992年、李洪志氏によって広められた、健康な体と精神修養を目的とする気功修煉法です。
しかし、法輪功を学ぶ人が急激に増えたため、中共は恐怖を感じました。1999年7月20日、江沢民の指示により法輪功への非人道的な迫害が始まり、現在も続いています。
中共の迫害が身近に迫ってきたため、2001年、付貴華さんは幼い子供二人を残して、夫と共に逃亡生活を余儀なくされました。一家離散の生活は10年も続きました。
2013年6月3日、付貴華さんは農安県の警察に強制連行され、数々の拷問を受けました。その後、懲役3年の不当判決を受けて吉林省女子刑務所に収監され、法輪功の放棄を迫られます。しかし、付貴華さんは信念を貫き通したため、拷問を受け続けることになりました。迫害により歩くことも困難になったうえ肝臓病を患い、165cmあった身長は155cmにまで縮みました。付貴華さんの娘、于健莉(う・けんり)さんと于健萍(う・けんへい)さんは、母親を虐待した農安県公安局安全保衛部門の唐克(とう・こく)隊長らを告訴しましたが、かえって報復を受け、10日間不当に拘束されました。
2019年8月15日、四平市公安局と梨樹県公安局は数百人の警官を動員し、長春市の地元警察の協力を得て、長春市で法輪功学習者及びその家族の一斉逮捕に乗り出しました。付貴華さんとその娘2人、娘婿2人を含む30人以上の学習者が逮捕・連行されました。
2021年2月26日、付貴華さんを含む14人の学習者たちは懲役7年から9年の実刑判決を宣告された上、3000元~5000元(約51,000円~85,000円)の罰金を科されました。5月27日に付貴華さんらは吉林省女子刑務所に収監されましたが、付貴華さんは度重なる拷問により、7月25日に死亡しました。
付貴華さんの家族の証言によると、7月25日夜、刑務所から「付貴華は危篤状態で、吉林大学第一病院二部に運ばれ、緊急措置を取っている」との連絡を受けました。家族が病院に到着すると、吉林省女子刑務所の小隊長・高陽は「治療中である」ことを口実に、付さんとの面会を拒否しました。
家族が遺体を見たいと言うと、医師からは、血を拭いてきれいにしてから遺体を見せるので、待つようにと言われましたが、警官が「遺体を見るためには証明書が必要だ」と言い、様々な言い訳をして家族の面会を阻止しました。
警官の行動を不審に感じ、朝陽溝葬儀場に行ったところ、「遺体は葬儀場に置かれている。証明書は必要ないが、刑務所関係者の同行なしでは、遺体を見せることができない」と告げられました。
7月29日、家族は弁護士とともに刑務所を訪れ、刑務所長との面会を求めましたが、二人の副課長に阻止されました。付貴華さんの死因について問いただすと「病死」だと答えましたが、何の病気なのかと聞くと「それは教えられない」と答えました。二人の副課長は態度が横柄で、名前を聞いても「教えられない」と拒みました。
その後も、刑務所管理局や検察院などを尋ねまわったものの、たらい回しにされ、いまだに死因に関する明確な答えをもらっていません。
吉林省女子刑務所では、法輪功学習者に対し長年にわたり、数々の拷問が行われており、多くの学習者が死亡または身体に障害が残っています。
ほかにも、中国の刑務所でよく使われている「腰掛の刑」というのがあります。
吉林省女子刑務所に拘禁された法輪功学習者たちは毎日、小さな腰掛けに長時間座らされますが、少しでも動くと激しく殴打されます。家族に電話をかけることも許されず、家族や弁護士との面会も許されません。
付貴華さんの娘婿・孟祥岐(もう・しょうき)さんは、中学生だった15歳の時から迫害を受けており、強制労働収容所で2年間、毎日にようにリンチや残酷な拷問を受けました。孟祥岐さんも今回、7年半の実刑判決を宣告されました。