中共がタリバンを称賛「理性的になった」

イスラム主義組織タリバンが8月15日に首都を占拠した後のアフガニスタン状況に対して北京が反応を見せました。中共当局は、タリバンの武装集団は以前より冷静で理性的だと述べています。

8月19日の記者会見で中共外交部の華春瑩報道官はタリバンを評価し、20年ほど前(1996年-2001年)に権力を握っていた時よりも、タリバンは冷静で理性的になったと称賛しました。

華報道官は、タリバンの現在の行動に肯定的な好評価を与え、現実的なものだと述べました。

しかし、中共がタリバン政権を承認するのか、中共はここ数日タリバンと接触していたのかとの質問には答えませんでした。しかし、その明らかに友好的な態度を見る限り、いずれも答えはイエスだと思われます。

同日、タリバンのスハイル・シャヒーン報道官は中共は将来的にアフガニスタンの発展に寄与できるだろうと語りました。

この発言は中共国営テレビCGTNのインタビューで行われたものです。しかし、中共とタリバンの関係が親密化するにつれ、米国の懸念も高まっています。即ち、米国製の兵器が中共の手に渡るかもしれないという懸念です。銃や暗視ゴーグル、さらには航空機などの兵器です。

2003年以来、20年近くにわたって、米国はアフガニスタン軍に兵器を提供し、これまで少なくとも60万個の兵器を提供してきました。

タリバン軍はここ数日でアフガニスタンの多くの主要都市を占拠した際に、逃走するアフガニスタン政府軍が置き去りにしたこれらの兵器や装備を入手しました。

米政府高官はロイターに対し、タリバンはこれらの兵器のほとんどを保有し、使用すると思われると予想しているが、中共のような敵対国家と兵器を共有する可能性もあると指摘しています。

ただし当局者の一人は、タリバンが兵器の共有を決めたとしても中共が得るものはそれほど多くはないだろうと指摘しています。何故なら中共は既に同種の兵器や装備を手に入れているからです。

専門家は兵器以外の問題についても懸念を表明しています。その一つがアフガニスタンのレアアース鉱山の問題です。

中共はアフガニスタンの自然資源を利用する目的で、タリバンと手を組むだろうと考える専門家もいます。昨年、アフガニスタンで採掘されたレアアースは3兆ドル(約329兆円)の価値があると推定されてます。

レアアースは、現代の産業と日常生活の多くの場面で欠かせない原料です。航空機や武器、携帯電話やノートパソコンに至るまで、あらゆるものの生産に必要です。

現在、中共は世界のレアアース市場を支配しており、2019年の貿易戦争ではレアアースの供給を停止しうると米国を脅迫しました。

〈字幕版〉

 
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