米Apple社が提供している、ユーザーが一部の製品に好きな文字を入れられる刻印サービスにおいて、最近特定のワードを検閲していると指摘する新たな報告書が発表されました。
カナダのトロント大学にあるネットセキュリティ研究機関「Citizen Lab(シチズン ラボ)」は8月18日、Appleが刻印サービスにおいて、中共の高官や反体制派の名前などのワードを検閲していると明らかにしました。
例えば、「報道の自由」や「人権」などの言葉が検閲対象となっており、入力すると「刻印メッセージを再度、入力してください」とのエラーメッセージが表示されます。
Citizen Labの調査によると、中国では少なくとも1000以上のワードが検閲されており、香港では500以上、台湾では400近くのワードが検閲されています。
また、台湾では中国共産党により迫害を受けている「法輪功」も検閲対象となっています。
これに対して、Apple社はこのフィルタリングシステムは現地の法律や慣習を尊重していると表明しています。
Citizen Labの研究者、ジェフリー・ノッケル氏は米メディア「protocol(プロトコル)」に対し、Apple社が香港と台湾で検閲を行う理由は2つあり、1つは中共への忖度、もう1つは単なる不注意かもしれないと語りました。
Apple社は、当社の価値観に適合しながら刻印サービスを提供しているとしています。しかし、Citizen LabはAppleは自社の検閲について説明する義務を持つべきだと指摘しています。