河北省張家口市沽源県(こげん-けん)公安局は8月25日、14日に22歳の女性を人身売買の容疑で逮捕したと発表しました。女性は7月末に、生んだばかりの自身の子供を7万元(約120万円)で山東省濰坊市(いほう-し)奎文区の医療科学技術関連企業に売り渡した疑いがもたれています。
河北省の警察は、女性は容疑を認めており、身柄はすでに山東警察に引き渡されたと発表したものの、乳児を買ったとされる山東省の医療関係企業の名称は公開していません。
このニュースは世論から大いに注目を浴び、なかでも医療関係企業が生まれたばかりの乳児を買ったという事実に、多くの人が驚愕しています。
あるネットユーザーは中国のQ&Aサイト「知乎」に、「科学技術企業が赤ん坊を買った。何のために?その赤ん坊のためか?それとも赤ん坊の身体の中の臓器のためか?ラットやマウス、ウサギなどの実験用動物では満たせない実験ニーズを満たすためか?彼らはどんな実験をやっているのだ?」と投稿しています。
その数時間後、河北警察はその通知を削除しました。河北省共産党委員会の機関紙「河北日報」のウェイボー公式サイトに投稿した通知と、複数のポータルサイトがシェアしたものも含め、すべての通知が見られなくなりました。
ラジオ・フリーアジアは、乳児を買ったとされる企業の名称は「山東佰子(はくし)生殖医療科技有限公司」であり、登録地と所在地は濰坊市奎文区(けいぶん-く)、法定代表人は朱芸黎(しゅ・げいれい)だと報じています。
中国メディア「澎拜新聞」は、今回の嬰児売買事件が摘発されたのは、市民ボランティアの潜入調査があったからだと報じています。容疑者の女性が今回行った嬰児売買は、同様の人身売買事件の氷山の一角に過ぎません。
澎拜新聞はまた、市民ボランティアの「上官正義」さんは一年かけて潜入調査を行ったとも報じています。彼が山東省濰坊市の警察に通報したものの立案されなかったといいます。現地の衛生健康委員会もまだこの件に介入しておらず、買われた嬰児の所在も安否も依然として不明なままだとしています。