アフガニスタンで混沌とした状況が続く中、ある元アフガン高官が話題となっています。元大臣は退任後、ドイツで自転車配達員として働き始めました。
オレンジ色のユニフォームを着て自転車に乗るこの配達員は、ドイツのライプチヒ市で夕方からのシフトに備えています。以前、彼はアフガニスタンで通信大臣を務めていました。
元アフガニスタン通信大臣のサイド・サダト氏
「以前私は、人民に仕える大臣でしたが、今はリーフェランドの配達員として食事の宅配サービスをしています。人々に仕えるという点では今も前と同じです」
今年49歳で、ITと電気通信技術の学位を有するサダト氏は、昨年9月にドイツへ移住しました。しかし、ドイツ語が話せないため、IT通信関連の仕事に就くチャンスはほとんどありませんでした。
元アフガニスタン通信大臣 サイド・サダト氏
「私は、汚職大臣となって数百万ドルも稼いで、ここやドバイにビルやホテルを買ったりして、働く必要もなかったかもしれません。だが私は、心が平安で罪の意識に苛まれることもありません。私はこれを誇りに思っています」
タリバンがアフガニスタン政権を制圧した後、アフガン人は亡命を求めてドイツに逃げ始めました。
アフガン人はもうこれ以上戦争したくないのだと元大臣は言います。
元アフガニスタン通信大臣のサイド・サダト氏
「アフガンの人々は、戦争にも軍隊にもうんざりしています。20年間も、彼らは国際社会と共に、この終わりなき戦争を戦ってきました」
サダト氏は、2018年に退任するまで2年間、アフガニスタン政府で働いていました。
〈字幕版〉