中国企業が韓国の中堅半導体チップメーカーの買収に合意したことを受けて、米国は国家安全保障上のリスクを懸念を示しています。これは、米国当局が同買収案に認可を与えない可能性があることを示唆しており、重要な産業分野において中国企業への依存から脱却を求める声に拍車をかけています。
マグナチップ・セミコンダクターは、ディスプレイやパワーチップを生産する米上場の韓国企業です。今年3月に、中国のプライベート・エクイティ企業(買収ファンド)、智路資本(ワイズ・ロード・キャピタル)が、14億ドル(約1500億円)規模の取引でマグナチップの買収に合意しました。
米財務省が所管する対米外国投資委員会(CFIUS)は6月、同買収案を保留する暫定命令を出しました。マグナチップは今後の対応策を検討しているものの、CFIUSによる買収認可の要件を満たす保証はないとしています。買収が認可されなければ、重要なハイテク産業に海外投資を行おうとする中国企業にとって、新たな打撃となる可能性があります。
世界的なチップ供給不足のなか、米国内で中国への依存度を下げるべきだという声が高まっています。