中国有数の不動産開発大手が巨額の負債を抱えています。その額は、フィンランドのGDPを超える約3千億ドル(約33兆円)に上ります。この企業が倒産した場合、中国経済に激震が走ると思われます。
中国で売上高2位の不動産開発大手、恒大集団が債務危機に陥っています。債権者は企業の債務不履行を恐れています。
恒大集団は、3千億ドル(約33兆円)もの債務と契約責任を抱えています。これは、2020年のフィンランドのGDPを上回る数字です。
同社は、資産を売却して資金を調達しようとしています。しかし、債務返済には焼け石に水です。8月31日、同社は資産売却を推し進め、融資を更新することに失敗した場合、デフォルトのリスクがあると警告しました。
この債務は恒大集団のハイリスクなビジネスモデルの結果です。土地を購入するためにローンを組み、回転率を上げるために薄利で住宅を開発、販売していたのです。
恒大集団は、完成前から住宅を販売していました。しかしその債務状況から、これらのプロジェクトが完了するための十分な資金があるかどうかが疑問視されています。
多くの中国人は、住宅を購入しても、建築工事が完了するまで数か月あるいは数年も待っているとネット上で訴えています。
日系金融持株会社である野村ホールディングスの中国エコノミストは、「恒大集団の巨大なバランスシートは、中国に真のドミノ効果をもたらす」と述べています。
恒大集団のような大企業は、中国の金融システムに深く入り込んでいます。企業に何かあった場合、中国経済に激震が走ることになります。中共当局の各レベルが債務救済に介入するのではないかという憶測もあります。
同社の株価は8月31日に2.5%近く下落しました。今年に入ってから、同社の株式は70%以上の価値が失われました。