最近、中国の首都・北京で珍しい光景が見られました。
9月5日の朝、天安門広場での五星紅旗掲揚式の直後、黒い白鳥(ブラックスワン)が現れました。
ブラックスワンは、近くにいた観光客の注目を集めました。
ブラックスワンはその後、午前8時頃に北京の野生動物保護センターの職員により捕獲されました。ブラックスワンは、天安門広場近くの森林公園から飛んできたのではないかと推測されています。
この出来事は、ネットユーザーの間で議論を巻き起こしました。
中共の習近平総書記は、今年1月に開催された中央政治局集団学習会での演説で「ブラックスワン」に言及しており、様々なリスクと課題をよく予見しなければならず、「ブラックスワン」ような現象に備える必要があると警告を発しました。
「ブラックスワン」は、金融業界において予測が困難で、発生確率は低いものの、甚大な影響をもたらす事象を意味します。
ブラックスワンが飛来した場所は、中国人にとって深い歴史的意義を持つ場所です。
1989年、中国全土では学生や市民が、中国共産党の腐敗打倒や民主主義及び自由を求め、抗議活動を行いました。その中心となったのが天安門広場でした。しかし、中央指導部は中共軍による鎮圧に踏み切り、多くの人を虐殺し、逮捕しました。死者数は、当局発表では数百人としているものの、数千人から1万人規模との見方が有力視されています。同事件は、現在も中共当局により、最も厳しく検閲されている話題の一つとなっています。