世界最大の資産運用会社であるブラックロック社は最近、著名な投資家ジョージ・ソロス氏が同社の対中投資を批判したことを受けて、ソロス氏に反撃しました。ソロス氏は、ブラックロック社が米国の安全保障上の利益を危険にさらしていると非難しました。
ブラックロック社は、中国での大規模な投資活動に関するジョージ・ソロス氏の批判に反論しました。
ソロス氏は、ウォール・ストリート・ジャーナルへの寄稿で「今、中国に数十億ドルを投じるのは悲劇的な過ちだ」と指摘しています。また、ソロス氏はブラックロックが「米国の国家安全保障上の利益を危険にさらしている」とし、理由として「ブラックロックが国内では抑圧的で、海外では攻勢的な習近平政権に助力しているためだ」としています。
ソロス氏の見解に対して、ブラックロック社は次のように反論しています。「米中両国は巨大かつ複雑な経済関係にある」「我々の投資活動を通じて、米国を拠点とする資産運用会社やその他の金融機関は、世界最大の経済大国である2か国の経済関係に貢献している」
アセンド・インベストメント・マネジメント社アナリスト エマ・ミューレマン氏
「これは、貪欲・貪婪が原因です。また、私の考えでは、中国共産党からの影響もあると思います。中共がブラックロックの内部に何らかの影響力を持っており、ブラックロックと中国での投資信託の販売許可について取引した可能性が高いと思われます」
エマ・ミューレマン氏は投資顧問会社アセンド・インベストメント・マネジメント社のアナリストです。ミューレマン氏によると、ブラックロックが行っていることの多くは、中国の退職金制度に対応していると述べています。現在、中国では急速に進む人口の高齢化が問題となっています。
アセンド・インベストメント・マネジメント社アナリスト エマ・ミューレマン氏
「誰でも分かるように、誰も対中投資を行うべきではありません」
「中共は、民間教育産業やゲーム業界への取り締まりを強化してきましたが、最近では周知のように医療業界への締め付けに乗り出そうとしています。つまり、上場企業を狙っています」
ブラックロック社は、今年6月、外資系として初めて完全子会社による中国で投資信託の販売を許可されました。ブラックロック・チャイナ・ニュー・ホライゾン・ミクスト・セキュリティーズ・インベストメント・ファンドは最近、ミューチュアル・ファンドのために10億ドル(約1143億円)を調達し、約1週間で11万1千件以上の個人投資家から注文を受けました。