駐英中共大使 英議会立ち入り禁止に

新疆ウイグル自治区での人権侵害疑惑を指摘した英議会議員に中国共産党政権が制裁を科したことで、駐英中共大使が英議会から追放されました。

最近、駐英中共大使は、英議会への立ち入りを禁止されました。

原因は、中共政権から制裁を受けた英国の議員らが、予定されていた駐英大使による講演に反発したためです。

駐英大使・鄭沢光氏は、9月15日に英国会議事堂で開催される親中派の超党派グループによる会合に招かれ、講演を行う予定でした。

しかし、英国のリンジー・ホイル下院議長とジョン・マクフォール上院議長は鄭氏の英国会議事堂への立入りを禁止する方針を示しました。

英政府は今年3月、ウイグル人への迫害に関与したと疑われている新疆ウイグル自治区政府関係者および公安局に制裁を科しました。英政府への報復措置として、中共側は英議員9人に入国禁止、中国内の資産凍結などの制裁を科しました。

しかし、親中派の超党派グループは、テムズ川近くのテラスで開催されたサマーパーティーに鄭氏を招待しました。

報復制裁を受けた保守党の下院議員5人は招待に抗議する書簡を下院議長に、上院議員2人は上院議長にそれぞれ提出しました。

抗議の声を上げた議員5人は、英国における中共政府の代表者がウェストミンスターにある国会議事堂を訪れ、共産党政権の代弁者としてアクセスできる権利をまだ持っていることに対し、「考えられない」と述べています。

リンジー・ホイル下院議長は、「中国(共)が我々の議員に対して制裁を発動しているときに、中国(共)大使が国会議事堂内に出入りできることは、適切であるとは思えない」と表明しました。

制裁を受けた保守党の元党首イアン・ダンカン・スミス氏やトム・トゥーゲンハット委員長ら保守党の下院議員5人は、議長の確固とした原則的な立場に感謝の意を述べました。

議員らは中共大使を敷地内に入れることは、「議会に対する侮辱」になると指摘しています。

一方、親中派の超党派グループの代表を務める保守党議員リチャード・グラハム氏は、講演の延期を「残念に思う」と述べました。

 
関連記事