中国では、殺人罪で起訴された被告人は、弁護士による弁護を受ける権利があります。しかし、心身修養法である法輪功の修煉者は、一部の省において弁護権が剥奪されています。最近、ある裁判官が法輪功学習者は弁護権を持たないと主張する録音が公開されました。
中国のある裁判官による発言が公に公開されました。この裁判官は「殺人者であっても弁護を受けることができるが、法輪功学習者は出来ない」と公然と言っています。
中国東北部・吉林省の徳恵人民法院では最近、法輪功学習者らに対する裁判が行われました。
起訴された理由は、法輪功学習者らが修煉を放棄することを拒み、中国共産党による法輪功への迫害を暴露しようとしていたためです。
しかし、弁護士は法廷で彼らを弁護することが拒否されました。
9月10日、大紀元時報は吉林省德惠法院の王栄富裁判官の発言を録音したものを公開しました。
録音の中で、王栄富裁判官は起訴された法輪功学習者の家族と会話をしています。会話は、昨年12月18日に行われたものです。
起訴された法輪功学習者の家族
「殺害を犯した者でも弁護士が弁護してくれるんですよね?」
吉林省德惠人民法院の王栄富裁判官
「そうだ。しかし、法輪功学習者はだめだ。殺人者やその他の犯罪者は弁護できるが、法輪功学習者はだめだ!」
起訴された法輪功学習者の家族
「法律は全国どこでも同じはずです。他の省では法廷で弁護できるのに、なぜ吉林省ではできないのですか?」
吉林省德惠人民法院の王栄富裁判官
「それはわからない。とにかく吉林省では無罪を主張できるとは思わないことだ」
吉林省德惠法院の王栄富裁判官
「これが高等裁判所に弁護士の弁護について質問した際に返ってきた回答だ」
起訴された法輪功学習者の家族
「王裁判官、あなたの上司の命令も法律に沿ったものでなければならないはずです」
吉林省德惠法院の王栄富裁判官
「何が合法で何が違法かなど、私に言うな。そのことについて話さないでくれ。これは上から言われていることだ。いいか、法輪功のケースは特殊だ。弁護士は法廷に出ようと考えるな。そのようなことを望んではいけない」
起訴された法輪功学習者の家族
「弁護士は法廷に出ようと考えてもいけないとはどういうことですか?弁護士には弁護する権利もないのですか?」
吉林省德惠法院の王栄富裁判官
「ない!絶対にない!!」
起訴された法輪功学習者の家族
「あなたたちはあからさまに法律を破っています」
吉林省德惠法院の王栄富裁判官
「だからどうしたと言うのか?」
王裁判官はまた、弁護士が法輪功学習者を弁護する場合、まず管轄区の公安局および所属の弁護士事務所から、自身が法輪功学習者でないことを証明する証明書を発行してもらう必要があると主張しました。
さらには、弁護士が法輪功学習者の無罪を主張する場合は、地元司法局の同意を得なければならず、その同意を得ることは不可能であると述べています。
吉林省德惠法院の王栄富裁判官
「弁護士は法廷で無罪を主張するだろう。無罪を主張する場合は、事前に地元司法局の同意を得なければならない」
起訴された法輪功学習者の家族
「弁護士らは、その書類を準備しているはずです」
吉林省德惠法院の王栄富裁判官
「それはできないはずだ。書類の準備をしているとしたら、私が知らないはずがない。政府が許可しないのに、どうやって書類を準備するのか?」
王裁判官はまた、起訴された法輪功学習者の家族が一般的な司法手続きを受ける権利も否定しました。
起訴された法輪功学習者の家族
「今、私たちの要求をお話ししました。通常の司法手続きを希望しているだけです」
吉林省德惠法院の王栄富裁判官
「通常の司法手続きなど、あり得ない」
起訴された法輪功学習者の家族
「これは正式な司法手続きですよね?なぜダメなのですか?」
吉林省德惠法院の王栄富裁判官
「正式なものであろうとなかろうと、絶対だめだ」
法輪功情報サイト・明慧ネットによると、今年7月、法輪功学習者の家族8人が連名で王氏を提訴しました。
王裁判官が裁判長を務めた裁判では、被告人の親族に開廷の日程を知らせず、これは親族の知る権利を剥奪したことになります。また、裁判所は親族が裁判を傍聴する法的権利や、弁護士の弁護する権利までも露骨に奪いました。