バイデン政権は国境危機問題で両陣営からの圧力に直面しています。これを受け、ホワイトハウスは大統領が新たな移民制度の構築を支援していると述べました。
ホワイトハウス報道官は、バイデン大統領は新たな移民制度に向けて尽力しているが、その成否は議会の動きと健康状態の改善にかかっていると言います。
ホワイトハウスのジェン・サキ報道官
「大統領は、引き続き人道的かつ秩序ある移民制度の整備に尽力しています。例えば、難民申請手続きを確立し効率化を図るなど、人々が米国での滞在許可を申請するための様々なプログラムが含まれます」
ホワイトハウスは、議会の両陣営から批判を浴びています。
共和党のジェフ・バン・ドリュー議員は、バイデン大統領は国境危機の現実を否定しているようだと述べています。
ニュージャージー州 ジェフ・バン・ドリュー共和党下院議員
「まるで全てが倒錯したビザロ・ワールドにいるようです。私の目の前で、皆さんの目の前で起きていることなのに、見て見ぬふりをする人たちがいます」
一方、民主党の側からは、ハイチの不法移民に対する取り締まりに懸念を表明する声が上がっています。馬に乗っている国境警備隊員の映像が拡散されたからです。
加州 マキシン・ウォーターズ民主党下院議員
「私が不愉快なのは、ハイチ人を追い詰めて手綱で彼らを鞭打っていたカウボーイだけではありません。政権にも不満があります」
当局は、テキサス州のデルリオに集まったハイチ人を中心とする数千人もの移民の対応に追われています。彼らの一部は解放され、一部は飛行機で強制送還されています。
米人権団体「ロバート・F.ケネディ人権」のウェイド・マクマレン弁護士
「現在、どのようなプロセスで処理されているのか、どのような基準で国境警備局が仮釈放する人と飛行機で強制送還する人を振り分けているのかは、明らかにされていない」
ウェイド・マクマレン弁護士によると、移民は、単身の男女、妊娠中、未成年の子供連れの家族等によって、異なる色のチケットを渡されるそうです。
別の弁護士は、透明性が向上しないことに不満を募らせています。
全米ハイチ系米国人公職者ネットワーク アリックス・ディサルム代表
「せめてプロセスの説明がほしい。しかし、現状では私たちは何も分からず、様々なメッセージが混線している。信用性にかかわる問題だ」
テキサス州のグレグ・アボット知事は９月21日デルリオに赴き、郡の最高当局者によると収容されている人数は8600人に達していると述べました。
米国内で最近解放された人数について、米当局は言及を避けています。
