世界最大規模の負債を抱える中国の不動産開発大手・恒大集団は、債権者に対し現金での返済が困難であるため、不動産資産の大幅値引きという形での返済を提案しています。
しかし、同社が販売した高利回りの資産運用商品である「理財商品」に貯蓄をつぎ込んだ中国の個人投資家らは提案の受け入れを拒否しています。
ある専門家は、このようなやり方は中国の不動産市場をより苦しめるだけだと指摘しています。
恒大集団が不動産の値引きという形での返済を債権者に提案した後、上海では投資家らと会社側で激しい議論が交わされました。
恒大集団に投資した上海市民 王さん
「これは強制的な販売だ。私たちがお金を貸しているのに、あなた方(恒大集団)は返済できない。双方で返済計画を話し合うべきではないのか。あなた方は一方的に3つの支払いプランを提示したが、我々は同意しない。同意する人はいるか?
「いない!」
ここ数週間、各地では抗議活動が活発化しており、一部の債権者は本社ビルの前に押しかけました。
米サウスカロライナ大学エイキン校ビジネススクールの経営学教授・謝田氏は、不動産の割引は問題解決にはならないだろうとの見解を示しています。
また謝田教授は、これでは債権者がさらに低い価格で不動産を再販することになり、中国の不動産市場をさらに悪化させ、崩壊の危機に陥らせる可能性もあると述べています。
中国の不動産業界は全体的に落ち込んでいます。先月の新築住宅の販売は、昨年の同時期と比べて24%減少しています。また、土地販売は50%以上も減少しています。 専門家によると、今回の恒大集団の問題により、今月の数値はさらに悪化する可能性があると指摘しています。