米国境警備隊員は、バイデン大統領のコメントを聞いて裏切られたと感じていると述べています。馬に乗った国境警備隊員が、手綱を使ってハイチからの不法移民を追い回したとして非難されています。
この非難の正当性が確かめられていないにもかかわらず、バイデン大統領は、隊員は代償を支払うことになると述べています。また、この写真を撮影したカメラマンは、写真の見方次第では実態を見損なうと述べています。
バイデン大統領は9月24日の朝、最近の国境での混乱について初めて公の場でコメントしました。大統領は、馬に乗ってハイチ移民の入国を阻止しようとする国境警備隊員の写真をめぐる論争について意見を述べました。
バイデン大統領の発言は国境警備隊員の間で、怒りを引き起こしています。隊員たちは、裏切られた思いだと語っています。
ジョー・バイデン米大統領
「馬が人々に突進し、人々は革ひもでたたかれている。言語道断だ。彼らは代償を支払うことになる。今調査が行われており、処分が下されるだろう。結果は必ずついてくる」
カマラ・ハリス副大統領も意見を述べました。問題の写真を奴隷制時代の状況と比較しています。
カマラ・ハリス米副大統領
「人間はあのように扱われるべきではないということを私たちは皆知っている。このような行為は、米国の原住民や奴隷制時代のアフリカ系米国人に対して行われた歴史上最悪の瞬間を想起させる」
ホワイトハウスは9月23日、現在調査中であるため、テキサス州デルリオの国境警備隊の馬によるパトロールを中止すると発表しました。
一方、多数の国境警備隊員は、移民を鞭打ったり傷つけたりしてはいないと説明しています。
写真を撮ったカメラマンのポール・レイチ(Paul Ratje)氏は9月23日、地元のKTSMラジオに対し、実態は写真で見ているようなものとは違うと語りました。
カメラマン ポール・レイチ氏
「私が見た限り、誰もそんなことをしていない。手綱を振り回してはいたが、実際に誰かを鞭打っているところは見ていない。写真だけを見ていると、誤解されやすいのだ」
全米国境警備協議会のブランドン・ジャッド会長はバイデン大統領の発言に反論し、バイデン大統領は全く理不尽であり、国境警備隊員の生命を政治的に利用していると非難しています。
ジャッド会長はFOXニュースのインタビューで、バイデン大統領が国境警備隊員が間違いを犯したと発言した今、公正な捜査ができるのかと疑問を投げかけました。
ジャッド会長は、捜査の渦中にある隊員に再度言及し、彼らは政権から与えられた職務を遂行しただけだと述べました。ジャッド会長は一週間前にエポックタイムズに対し、隊員がなぜこのような形で手綱を使ったのかについて説明しました。
全米国境警備隊協議会 ブランドン・ジャッド会長
「隊員は自分の身を守るために移民を馬から遠ざけておく必要があるので、手綱を使い、手綱を振り回して、移民が馬に近づかないようにしている。人を襲って鞭打ちしようとして手綱を使ってはいない。隊員は決して手綱を使って誰かを攻撃しようとはしていない」
ジャッド会長はFOXニュースの記者に対し、バイデン大統領の発言を聞いて隊員たちも自分と同じ思いをしていると語りました。
元米税関・国境警備局長官代理のマーク・モーガン氏も取材に対し、「隊員たちは正当なプロセスも経ずに断罪され、キャリアを台無しにされ、評判が回復できないほど傷つけられた。この全ては、南部国境の制御不能の壊滅的な危機から目をそらすためだ。隊員たちは裏切られ、背後から刺され、士気をくじかれたと感じている」と語っています。
ジャッド会長は、士気が低下しても、国境を守ために警備隊は任務を続行するだろうと述べました。